50代に差し掛かると、定年退職後の人生をどう生きるか、多くの人が迷います。私もその一人で、早期退職して独立・起業するか、定年退職まで勤め上げるかを悩んでいました。特に会社に不満があるわけではなく、起業の具体的なアイデアもなかったため、まずは起業コンサルタントやセミナーを調べ始めました。
50代は親の介護、会社での立場(出向、役職定年等)、老後資金の確保、年金問題、医療費など、複合的な悩みを一番抱える世代と言われています。
当時私の中で明確だったのは、元気なうちは社会に繋がり続け、できれば社会貢献ができる事業を通じて社会人として生涯現役でいたいという思いでした。人生100年時代、65歳で退職したとしても、その後も30年近い時間が残されています。退職後の「毎日が日曜日」の生活に耐えられるか、またその生活を楽しむだけの資金があるかを考えたとき、私は自然と社会人生涯現役を目指す方向へとシフトしていきました。
そのため、起業が一つの選択肢になりましたが、リスクを最小限に抑えるには、維持費を抑えられる一人起業、小規模起業が現実的な流れだったかと思います。しかし、実際に起業を考えると、どこに相談すれば良いのか現実は簡単ではありませんでした。多くの起業セミナーやコンサルティングサービスは本格起業を目指す若い世代向けで、グループ形式やオンラインを主流としているものが多く、受講料や初期投資が高額になることが少なくありませんでした。
コンサルタント会社は当然ですが起業で如何に利益を上げるかをメインに考えており、親の介護やセカンドライフにおいての生きがい、社会貢献等へのソリューションを提供しているとは思えませんでした。
また、小規模起業、副業起業、週末起業等のセミナーやカリキュラムもありましたが、起業立ち上げからWEB管理、決算まで1ストップでコンサルしている会社は極めて少なく、事業全体のフローや開業後の固定費、維持費など中々イメージできない感じでした。 行政サービスによる無料起業セミナーも総花的で、結果的に私の場合、自然栽培無農薬茶事業や、ベトナムにトレーディングの現地法人を設立したり、図書館や書籍を活用し、自分で走りながら学んでいくしかない状況でした。
退職・独立から今日まで紆余曲折はありましたが、現在のわたしは何とか小さいながらテナント事業やコンサル事業、そして年金の3つのポートフォリオでマイクロ起業活動を続けることができています。 まだ、社会貢献は実現できていませんが・・・
早期退職、独立から介護やパンデミックなどもあり決して順調に来たわけではありませんが、これまでの経験を活かし、「Taigaマイクロ起業コンシェルジュ」を立ちあげましした。 それぞれのフェーズで経験したことを9回のカリキュラムにまとめていますが、起業に興味のない方でも、セカンドライフでの私の実際の経験(親の介護、相続、老後のファイナンス等)になりますが、コラムとして掲載していっていますので、ご参考になれば幸いです。
開設からまだ二か月間ほどですが、おかげさまでイベント数も1,753と多くの方に訪れていただいています。今後、起業された方々とも繋がれる場としても提供していきたいと考えています。
継続再雇用も重要な選択肢の一つであることは言うまでもありませんが、今勤めている会社での継続雇用は一見安定そうに見えますが、65歳までは仕事を確保できるも、同じ仕事での処遇、かつての部下の方々との関係性、そもそも定年=卒業?であれば居心地は果たしてどうなのか、65歳以降はどうなるのか、70歳になって就きたい仕事がすぐ見つかるのか等・・・一度、60歳以降あるいは65歳以降の正社員の求人状況を仮検索してみてはと思います。
高齢者の労働力を企業が”戦力”として活かす環境にならない限りは、非正規で時間給制、且つ年齢を重ねるごとに特別なスキルがない限り人気の事務職にはほぼ就けないことが、「内閣府の高齢社会白書」からもうかがえますので今のうちから、特に50代で現業を持っているあいだに、準備することが重要になると思います。
起業のもう一つのメリットの一つは、失われがちな「人とのつながり」を再構築できる点だと思います。定年や退職により一度途切れた人間関係も、起業を通じて新たなネットワークが生まれ、社会に貢献することで自分の役割を見つけ直すことができます。また、家族やコミュニティとの関係もそれぞれが自分を居場所を確保でき良い方向に進むのではと思います。
「Tiagaマイクロ起業」は、やり直しが効く極小規模起業をコンセプトにしています。各自のニーズにコンシェルジュとして寄り添い、事業計画からウェブサイト構築、決算までの流れを1ストップでサポートし、実践的なアドバイスができればと考えています。