記憶に残っている方もいらっしゃると思いますが、四大証券会社の一角であった山一證券が1997年11月に経営破綻しました。 創業100年を超える老舗企業が倒産するというニュースは、多くの人々に衝撃を与えました。当時30代だった私も、この出来事に驚愕し、「どんな大企業でも倒産し得る」と痛感しました。営業職では潰しが効かないと感じ、英語力を身につけるために海外赴任を希望したいと考え始めたのも、この事件が大きなきっかけとなりました。
皆さんは日本にはどれほどの100年企業が存在しているかご存じでしょうか?実は日本は、100年以上続く企業が多い国なのですが、東京商工リサーチの調査によれば、2023年に創業100年以上を迎えた企業の割合は全体の1.2%に過ぎません。日本国内には358万社の企業がありますが、そのうち42,966社が創業100年を超えています。さらに、創業200~300年未満の企業は869社(構成比2.0%)、創業500年以上の企業も228社(同0.5%)存在します。
また、「企業の寿命は30年」ということばを耳にしたことはないでしょうか。
これは1983年に『日経ビジネス』(日経BP)が特集記事「企業は永遠か」のなかで、初めて示したものです。その詳しい内容は、1984年に『会社の寿命盛者必衰の理』(日本経済新聞出版)として出版されました。創業期、成長期、安定:拡大期、衰退・再成長期というサイクルは平均約30年で訪れるとする考え方です。 詳細は著書をご参照ください。
一方で、インターネットやITの普及により、時代の変化のスピードはさらに速くなっています。それに対して、人生の方は100年時代を迎え、健康年齢もますます長くなっています。
1997年の入社から27年、30年を目前に控え、50代を迎えた皆さんの中には、セカンドライフについて考え始めたり、準備を進めたりしている方もいるのではないでしょうか。企業の寿命が30年、そして100年続く企業が全体の1.2%しかないという事実を考えると、リスクを感じずにはいられないかもしれません。わたしの前職も経営統合になりましたので、いたずらに不安を煽る考えではなく、何が起こっても時代の変化に対応できるように極小起業=マイクロ起業という選択肢を準備しておくという考え方です。
マイクロ起業の考え方は、50代現業の中で起業の準備をして、60代では就労との兼業で起業の安定化を図り、70代就職環境が厳しくなった場合 起業にシフトして社会人として生涯現役を続けるというコンセプトです。稼ぐためだけの仕事では、続きませんので好きな仕事、得意な仕事とのマッチングを図り、必要なスキル、資格、WEB内製化などをカリキュラムで習得して頂ければと考えています。