2025年4月から年金額が引き上げられ、6月13日(金)に支給される予定です。これで3年連続の引き上げとなります。具体的には、2023年度は2.2%、2024年度は2.7%、そして2025年度は1.9%のアップが発表されています。
しかし一方で、物価の上昇はそれを上回るペースで続いています。2023年、2024年、2025年の物価上昇率はそれぞれ3.2%、3.5%、そして2025年も3%超が見込まれており、実質的には「年金の目減り」とも言える状況です。(生鮮食品を除く発表数字もあります)
日々の買い物、光熱費、医療費など、私たちが体感している物価上昇率は5%〜7%、ものによっては二桁に近いと感じることもあります。
もともと「年金だけでは生活資金が不足する」と言われていた中で、物価の高騰がさらに追い打ちをかけている今、65歳以降の生活設計はもはや先延ばしできないテーマになっています。
私は現在66歳。年金に加え、2つの小規模事業と、月に数日間の企業就労を掛け持ちして暮らしています。ただし、この企業での「再雇用」もいつまで続けられるか分かりません。年齢を重ねるほど再就職のハードルは高くなるため、今年は「マンション管理士」の資格取得にもチャレンジしています。これは将来的に独立性の高い働き方として、自分の強みを活かせる選択肢の一つだと考えているからです。
生活設計において、私は「できるだけ早く準備するに越したことはない」と強く実感しています。貯蓄ももちろん大切ですが、それ以上に「持続可能な収入の手段」を持っておくことが、長いセカンドライフにおいては不可欠だと感じています。
私たちの“第二の人生”は、下手をすれば30年近く続く可能性もあるのです。その間、経済的にも精神的にも安定した生活を送るには、細くても長く働き続けられる仕組みを自分自身で整えておく必要があります。
もちろん、これは「収入のため」だけではありません。小規模な起業活動や社会との関わりは、生きがいを育むうえでも大きな意味を持ちます。私は今、テナントコンサル事業、小売事業を小規模に2つ運営しています。といっても、大きな初期投資はしていません。自分の今までの経験を活かし、得意なことで、ホームページ、SNSなど内製化して、好きなことを楽しみながら自分のペースでいずれも小さく続けています。
また、将来的に介護が必要になった際にも、家族に過度な負担をかけたくないという思いがあります。そのために、家事を分担し、自分の生活を整え、自立した暮らしを長く続けられるよう努めています。健康寿命を延ばすことも重要です。SNSへの慣れや、地域活動・コミュニティへの参加などを通じて、家族以外とのつながりを持ち続けることは、孤立を防ぎ、心身の健康維持にもつながります。
セカンドライフは決して「老後」ではなく、新たな挑戦と選択の連続です。もちろん、不安がないわけではありませんが、必要以上に悲観することはないと思います。目標を一つずつ決めて、小さな一歩を積み重ねていけば、道は必ず拓けていきます。楽しみながら続けられる仕事との関わりを持つことが、何よりも大切だと実感しています。
年金がわずかに増えても、実際の生活費はそれ以上に膨らんでいきます。だからこそ、「年金だけに頼らない生活設計」を今から描いておくことが、これからの人生を安心して、そして自分らしく過ごすための鍵になるのではないでしょうか。
50代の今こそが、セカンドライフのスタート地点です。小さなチャレンジの積み重ねが、やがて自分らしい働き方と暮らし方を育ててくれます。年齢を重ねることを恐れず、一歩踏み出す勇気を持って、年金だけでは不足する老後資金への不安を少しでも考えなくて済むように「折り返しの第二の人生」を少しでも楽しんで行ければと思います。