#自由が丘熊野神社で# 「茅の輪くぐり」〜日常の祈りと、後半戦への誓い〜

先週、自由が丘にある熊野神社で「茅の輪(ちのわ)くぐり」を行ってきました。私の事務所「Taigaコンシェルジュ」からは徒歩で約3分ほど。ご近所とはいえ、私にとっては特別な場所です。早期退職後、自由が丘で起業する際に、地鎮祭をご縁にこの神社と深く関わるようになりました。以降、事業の安寧や自らの節目の確認のため、毎月1日と15日には欠かさずお参りに足を運んでいます。

6月の終わり、熊野神社では「茅の輪くぐり」という神事が行われます。これは6月と12月、年に2回の大祓(おおはらえ)という行事のひとつで、特に6月は「夏越の祓(なごしのはらえ)」と呼ばれ、一年の前半にたまった穢れや厄を祓い、無病息災を願う大切な行事です。

境内には、茅(ちがや)という植物で編まれた大きな輪が設置されます。この輪を「左まわり」「右まわり」「左まわり」と“八の字”を描くように三度くぐるのが作法です。その姿は、一見シンプルなようでいて、くぐるたびに心が整い、背筋が伸びていくような不思議な感覚があります。

茅の輪くぐりの由来には諸説ありますが、古代の日本神話に登場する「蘇民将来(そみんしょうらい)」の伝承に基づいているとされます。旅の途中で宿を乞うたスサノオノミコトを、貧しいながらも温かく迎え入れた蘇民将来。その厚意に感謝したスサノオは、「後の世に疫病が流行った際には、茅の輪を身に着けた者は災厄から逃れられる」と約束したといわれています。以来、茅の輪は厄除けや無病息災の象徴として受け継がれてきたのです。

熊野神社でも、6月30日に正式な神事が執り行われますが、輪自体はその10日ほど前から設置され、多くの人が訪れます。私も6月20日家内と、午前中参拝をすませて茅の輪をくぐりました。都会の喧騒の中にある小さな神社の境内ですが、その時ばかりは空気が一段澄んで感じられ、自分の心とも静かに向き合える大切なひとときです。

振り返れば、起業をしてからというもの、日々目の前の仕事に追われることもしばしばあります。しかし、こうして定期的に神社を訪れ、節目には古くからの神事に参加することで、自分の原点や、今ここに在るという感謝の気持ちを思い出させてもらえるのです。特に6月の茅の輪くぐりは、1年のちょうど折り返しということもあり、前半を無事に過ごせた感謝と、後半に向けた心の準備という意味でも、自分にとって大きな意味を持っています。

この半年で、私自身、事業の進め方や人との関わり方について多くの学びを得ました。良いことも、そうでないこともありましたが、どれもが次への糧となっています。だからこそ、茅の輪をくぐるときには、これからの半年が少しでも穏やかで、関わる人々にとっても良い時間になるよう、静かに祈るようにしています。

自由が丘という街には、新しさと古さが同居しています。トレンド発信地でありながら、こうして季節ごとの神事を大切に守り続けている場所もあります。私はこの街で、「第2の現役」としての人生を歩み始めましたが、そんな日々の中に、自然と寄り添う神社の存在は、とても大きな心の支えとなっています。

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