大企業においても、#若者の「超早期退職」が加速しています。入社してわずか1カ月で「この会社は違うかもしれない」と感じる人は、もはや珍しくありません。

ある調査では、早期離職者の約3割が、入社1カ月未満で退職を意識し始めたとされています。かつて当然とされてきた「石の上にも三年」という価値観は、若い世代にとって急速にリアリティを失いつつあります。

興味深いのは、その退職理由です。長時間労働やパワハラといった、いわゆるブラック企業的な問題だけではありません。「職場がホワイトすぎる」「上司に叱られない」「成長実感が得られない」といった理由で、将来への不安を感じる若者が増えています。心理的安全性が重視される一方で、仕事の厳しさや競争が見えにくくなり、「この環境にいて自分の市場価値は高まるのだろうか」と疑問を抱く人も少なくありません。これは決して甘えではなく、変化の激しい時代を前提にした、極めて現実的な焦りだと言えるでしょう。

しかし、超早期退職が必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。エン・ジャパンの調査によれば、早期離職を経験した20代の27%が「後悔したことがある」と回答しています。その理由は、「転職活動が想像以上に厳しかった」「条件が思ったほど良くならなかった」「収入が下がった」といった、非常に現実的なものです。退職という決断自体は勢いでできたとしても、その後に待っている現実は決して甘くありません。

さらに注目すべきなのは、転職後の行動です。一般に、転職した人の約3~4割が、5年以内に再び転職していると言われています。特に20~30代ではその傾向が強く、「思っていた仕事と違った」「評価制度に納得できない」「成長実感がない」といった理由で、再び環境を変えるケースが多く見られます。一方で40代以降になると、収入や安定性、家庭事情を重視する人が増え、再転職率は下がる傾向にあります。

この数字は、「転職は失敗だ」ということを意味しているわけではありません。転職を通じて自分の適性や価値観が明確になり、より納得感のある選択につながるケースも少なくありません。問題は、目的が曖昧なまま「今の環境が嫌だから」という理由だけで転職を繰り返してしまうと、同じ不満を何度も繰り返しやすい点にあります。

ここで重要なのは、「辞めるか、辞めないか」という二択で物事を考えないことです。会社に違和感を覚えたとき、転職だけが唯一の解決策ではありません。むしろこれからの時代は、「自分で自分の会社を作る」という発想を、現実的な選択肢として持つことが重要になってきています。

もちろん、いきなり独立や起業をするのはハードルが高いものです。そこで有効なのが、本業を続けながら取り組む兼業・副業型の起業です。生活基盤は会社に置いたまま、小さくビジネスを始めます。売り上げが立ち、手応えを感じられるようになれば独立へとシフトすればよいですし、思うような成果が出なければ、副収入源として生涯現役を支えるセカンドキャリアとして育てていくという選択も可能です。

会社に対して違和感を覚える感度は、実は大きな才能です。その違和感を「逃げ」として消費してしまうのか、それとも「自分の価値を形にするエネルギー」に変えるのかによって、人生の方向性は大きく変わってきます。転職のループを繰り返す前に、「自分が会社を作るとしたら、どのような価値を提供できるのか」「どのような働き方なら納得できるのか」を、真剣に考えてみる時間を一度とってみてはと思います。

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