2024年の就職事情:転職者数は3年連続で増加し331万人を超え、これに大学・高校の新卒者数を加えた合計数と65歳以上の就労人口はどっちが多いと思いますか。

総務省が2025年2月14日発表した2024年労働力調査の詳細集計平均結果によると、年間の転職者数は約331万人(前年比0.9%増)と3年連続で増加しました。 うち男性が154万人(同2.0%増)、女性が177万人(同0.0%)です。 終身雇用制度の変化を示しています。

2024年の新卒者数は、大卒が約13万5千人、高卒が約1万9千人、短大・専門学校・高専卒が約9千人で、合計約16万7千人でした。これらを合計すると、約316万7千人となります。 

一方、日本の総人口は、2024年10月1日時点で、 1億2,435万人となっており、 65歳以上人口は、3,623万人。総人口 に占める割合(高齢化率)は29.1%となっています。2023年時点での65歳以上の就業率は25.2%で過去最多を更新しており、現状約913万人のシニアの方が仕事をしていることになります。

2023年の労働力人口比率(人口に占める労働力人口の割合)を見ると、65~69歳では53.5%、70~74歳では34.5%となっており、いずれも上昇傾向です。 
高齢就業者を主な産業別にみると、「卸売業,小売業」が127万人と最も多く、次いで「サービス 業(他に分類されないもの)」が105万人)、「医療,福祉」が104万人)、「農業,林業」が101万 人などとなっています。

待遇面でも大きなギャップ
新卒社は報道のように売手市場で、大企業によっては大卒初任給で30万円越を提示するなど、若い優秀な人材の確保に躍起になっており、また転職組に関しても前職の賃金に比べて「増加」した割合は 38.6%となっていて、アップ率は5%~10%相当と言われています。

シニア層の就労環境の厳しさ
一方で、シニア層の雇用環境は厳しさを増しています。65歳以上の就業率は過去最高を更新し続けていますが、定年後に再雇用される場合、給与は4~6割減となることが一般的です。また、60代以降は短時間勤務の割合が高まり、通常勤務ができる環境は少なくなります。企業は若手人材の確保に力を入れる一方で、シニア層の待遇改善は限定的で、雇用の選択肢も限られがちです。

■ 2025年問題とシニア労働市場の未来
2025年には「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、約800万人に達します。これにより、年金だけでは生活できないシニア層がさらに増え、労働市場に参入する人も増加します。しかし、企業の受け入れ体制が追いついていない現状では、働く場所が限られ、就業を希望しても雇用の機会が得られない可能性が高まります。

長寿時代におけるシニアの選択肢
人生100年時代を迎え、シニア層は「働き続けるか」「年金と貯蓄で暮らすか」の選択を迫られます。しかし、多くの人が年金だけでは生活できない現実に直面しています。そのため、再雇用やパートタイムの仕事に就く人が増え、小売業・サービス業・医療福祉・農業などが主な就業先となっています。

生涯現役を続けるための準備
今後のシニア層は、単なる再雇用を頼るのではなく、新たな働き方を模索する必要があります。その一つが「小規模起業」です。個人事業主やフリーランス、シニア向けのビジネスなど、経験を活かして収入を得る手段を準備することで、長く働き続けることが可能になります。

■ まとめ:未来のための準備を今から
シニアの就労環境は厳しく、働きたくても働けない可能性もあります。そのため、今のうちから収入源の確保やスキルアップ、社会とのつながりを意識した準備が重要です。「働ける前提」ではなく、「働けなくなるリスク」を考えたライフプランが求められます。

長寿社会において、再雇用やパート勤務に頼るだけでなく、主体的にキャリアを築く意識を持つことが、充実した老後を送るカギとなるでしょう

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