#キッチンカーは“低コスト起業”と言われる。だが、300万円は本当に低コストなのだろうか。

※イメージ写真は、にゃちたまあ~る堂さんが紙で制作したキッチンカーです

中国では若年層の就職難が続き、「安定した企業就職」という従来の王道ルートが揺らいでいます。そうした中で、キッチンカービジネスに参入する人の5人に1人が大新卒者だという報道もあります。背景には、①就職口が限られていること、②35歳前後でキャリアの壁に直面するリスク、③AIに置き換えられにくい対面型ビジネスであること、などが挙げられています。つまり「自分で稼ぐ力」を持とうとする動きです。

では、日本のキッチンカー事情はどうでしょうか。

日本でもコロナ禍以降、キッチンカーは一気に広がりました。イベント中止で苦境に立たされた飲食店が新たな販路として参入し、また副業や小規模起業の手段としても注目されました。現在はブームが落ち着きつつあるものの、都市部ではオフィス街のランチ需要、郊外ではスーパーやホームセンターの駐車場、週末はマルシェやフェスなど、一定の市場が定着しています。

■ 市場規模
キッチンカー単体の正確な統計はありませんが、移動販売を含むテイクアウト・中食市場は10兆円規模といわれています。その中でキッチンカーはまだ小さな存在ですが、固定店舗より低コストで始められる点が魅力です。特に地方自治体が地域活性化の一環として出店場所を提供する例も増えています。

■ 初期投資
気になる初期費用ですが、大きく分けて以下の通りです。
・車両購入(中古軽トラック改装):150万~300万円
・内装設備(シンク、冷蔵庫、発電機など):50万~150万円
・営業許可取得費用・保険等:数万円~十数万円
・仕入れ・運転資金:30万~100万円

合計で300万~500万円程度が一つの目安です。
リースやレンタル車両を活用すれば、100万円台から始めるケースもあります。

固定店舗の飲食店が1,000万円以上かかることを考えると、比較的「小さく始められる」事業といえます。ただし、売上は立地に大きく左右され、月商50万~100万円程度が一般的なレンジといわれています。原価率30~40%、ガソリン代や出店料などを差し引くと、手元に残る利益は決して大きくありません。

■ 手続き
日本でキッチンカーを始めるには、
1.保健所の営業許可(都道府県単位)
2.食品衛生責任者の資格(1日の講習で取得可)
3.車両の構造基準を満たす設備
4.PL保険(生産物賠償責任保険)加入

などが必要です。出店場所ごとに契約も必要で、人気のオフィス街やイベントは抽選や審査制の場合もあります。

■ メリットと現実
キッチンカーの強みは「機動力」です。売れない場所からは撤退でき、需要のある場所に移動できます。また、SNSと相性が良く、ファンを育てやすい。調理・接客という人間的要素が中心で、完全にAIに置き換わる可能性は低い分野です。

一方で、天候に左右され、体力勝負でもあります。夏の暑さ、冬の寒さの中での営業、仕込みと移動の負担は小さくありません。また競争も激化しており、「何を売るか」以上に「どこで売るか」「どう世界観をつくるか」が問われます。

■ 日本での可能性
日本では若者だけでなく、50代・60代のセカンドキャリアとしてもキッチンカーを選ぶ人が増えています。大きな借金をせず、自分の裁量で働けることは魅力です。ただし「自由=安定」ではありません。事業として成立させるには、事前の市場調査、原価計算、出店先の確保が不可欠です。

中国の若者が「就職できないから」選ぶのに対し、日本では「雇われない選択」としての意味合いが強いように感じます。どちらにしても共通しているのは、組織に依存しない生き方を模索しているという点でしょう。

キッチンカーは夢のあるビジネスですが、魔法ではありません。小さく始め、数字を冷静に見て、撤退も選択肢に入れる。その覚悟があってこそ、移動販売は“自由な働き方”になるのだと思います。

■ 小さく始めるという現実的視点
私自身、「お茶のある暮らし」を屋号に自然栽培の店舗を構えて起業した際、初期投資は700万~800万円かかりました。物件取得費、内装工事、設備、在庫、広告費。理想を形にしようとすれば、どうしても資金は膨らみます。

もちろん、その経験があったからこそ学べたことも多いのですが、同時に「固定費の重さ」と「借入の心理的負担」も身をもって知りました。

現在も、当時のコロナ禍での緊急融資制度(日本政策金融公庫)の借入を返済しています。他の事業が軌道に乗っても、売上が一時的に落ちても、返済は止まりません。

だからこそ、ゼロから再起するとしたら――
できる限り借入をしない形で始めたいと思っています。

キッチンカーは、固定店舗に比べれば確かに低コストです。しかしそれでも300万~500万円。決して小さな額ではありません。リースやレンタルを活用し、100万円台から始める選択肢もありますが、それでも「自己資金の範囲内でどこまでできるか」という視点はとても重要です。

可能性が比較的高い#キッチンカー業態としては
①# コーヒー・ドリンク専門
特に「自家焙煎」「オーガニック」「物語性」を乗せられる人は有利。
弱点は競合が多いこと。“世界観”がないと埋もれます。

②# 焼き菓子・スイーツ系
常温保存できる
・ロスが少ない
・仕込みを前日にまとめられる
・雨天でも販売可能
・マルシェ向き
・客層が安定している。

③ #地域特化型(ご当地・農家直結)
自治体イベントとの相性が良い。
・地域ブランド
・地元食材
・農家コラボ 
行政案件が取れると安定します。

④ #高齢層向け軽食(意外な穴場)
・おにぎり
・和菓子
・甘酒
・出汁系スープ
高齢化社会ではニーズが増加。
若者向けより競争が緩い。

等など、大きな投資を必要としないキッチンカービジネスで、何かアイデアがありましたら無料相談等を利用してみてください。

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