日本の会社員の平均給与は「478万円」とされています。 では、平均給与を超えている人の割合は何%くらいだと思いますか?

これは国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」によるもので、1年を通じて勤務した給与所得者全体の平均値です。内訳を見ると、男性は587万円、女性は333万円と、男女間には大きな差があることも分かります。

ただし、この「478万円」という数字は、私たちが日常的に感じている実感とは、少しズレがあります。
なぜなら、平均値とは、全体を合算して割った数値であり、「最も多い層」や「典型的な年収」を示しているわけではないからです。

実際に給与分布を階級別で見ると、478万円は「400万円超〜500万円以下」に含まれます。この階級に属する人は決して多数派ではありません。
さらに、年収500万円を超えている人の割合を見ると、全体の36.7%にとどまります。
言い換えれば、日本の給与所得者の6割以上は平均給与に届いていないというのが現実です。

「平均年収くらいはもらっていて当たり前」
そう感じてしまう人ほど、この数字とのギャップに戸惑うかもしれません。
しかし、これは個人の努力不足という話ではなく、社会構造そのものが変わってきていることの表れでもあります。

かつての日本では、年功序列が当たり前でした。
年齢を重ね、勤続年数が伸びれば、多少の差はあっても給与は右肩上がりで上がっていく。多くの人が「一社に長く勤めること」を前提に、人生設計を描くことができました。

しかし今はどうでしょうか。
早期退職制度、ジョブ型雇用、成果主義、働き方改革。
「年齢」よりも「役割」や「能力」によって給与が決まる仕組みへと、確実に移行しています。
年齢に応じて自然に給与が上がる時代は、すでに終わりつつあります。

その結果、真面目に働いていても、一社からの給与だけでは平均年収に届かない人が増えています。
ここで大切なのは、「会社が悪い」「制度が悪い」と嘆くことではありません。
働き方の前提そのものを、自分の側で組み替える必要があるということです。

今や、兼業や副業は特別なものではなくなりました。
一つの会社に収入を100%依存するのではなく、複数の収入源を持つことが「当たり前の選択肢」になりつつあります。
そしてその延長線上に、「起業」という選択もあります。

ただし、ここでいう起業は、いきなり会社を辞めて大きな資金を投じるようなものではありません。
リスクの高い起業は、多くの人にとって現実的ではないでしょう。

むしろ今求められているのは、
小さく始めて、無理なく、長く続けられる起業です。

自分の経験、資格、人脈、これまで積み重ねてきた仕事の延長線上にある小さなビジネス。
それを副業や兼業として育て、まずは「今ある給与に少し上乗せする」ことを目標にする。
このアプローチであれば、リスクを抑えながら、自分の裁量で収入を増やすことができます。

重要なのは、「会社に与えられる仕事」だけに自分の人生を預けないこと。
どんな働き方をするのか、どれくらい働き、どれくらい稼ぎ、どんな時間を大切にしたいのか。
仕事そのものを、自分でデザインする視点を持つことです。

平均給与478万円という数字は、単なる統計ではありません。
それは、「これからの時代、収入は待つものではなく、組み立てるものになる」というメッセージでもあります。

一社に依存しない。
小さく試す。
長く続ける。

そんな選択を重ねながら、自分なりの働き方と収入の形をつくっていく。
いまは、まさに一人ひとりが“自分の仕事をデザインする時代”に入っているのです。

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