芸能界を引退した#中居正広さんを巡るトラブルによるCM撤退、すでに70社以上がCMの差し止めを行っており、本日のフジテレビの記者会見あとの動向が注視されます。そんななか、撤退した企業CMに替わり放送されているのが、#ACジャパンによる公共広告。ACジャパンとはどんな団体かご存じでしょうか。

ACジャパンは、公共広告を通じて社会や公共の福祉に貢献することを目的に活動している民間団体です。その活動は、社会にとって有益なメッセージを公共広告という形で発信することで、企業の社会的責任(CSR)の一環として機能しています。ACジャパンが発信する内容は「公共マナー」「環境問題」「いのちの大切さ」「親子のコミュニケーション」などの普遍的なテーマや、「いじめ」「認知症」「ネットモラル」「防災」など、時代を反映したテーマが多岐にわたります。さらに、大災害時や新型コロナウイルス感染拡大時には臨時キャンペーンを展開し、助け合いの心を伝える活動も行っています。

ACジャパンの運営資金は、主に1000社を超える会員社や個人会員による会費で賄われており、国や地方自治体からの公的支援は受けていません。さらに、全国300人を超える会員社のボランティア活動に支えられ、広告枠の提供や広告制作への参加を通じて運営が成り立っています。テレビCMの場合、広告枠はメディア各社の無償提供により放送され、ACジャパン自身は媒体費用を基本支払っておらず、このように、企業やメディアが協力し、社会的に必要なメッセージを広める仕組みが整えられています。

今回のような不祥事や大規模災害時に公共広告が増える仕組みについては、毎年1回~公共広告を制作し、その公共広告作品をテレビ局や新聞社に納品しています。広告は原則としてテレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4媒体用で、その他に交通・屋外広告を制作しています。どの作品をいつどれだけ流すかはACの会員社である媒体社の判断となっています。

設立の背景と経緯
ACジャパンの前身は1971年に設立された「関西公共広告機構」です。当時のサントリー社長である佐治敬三氏(1919~1999)が、アメリカの広告評議会(The Advertising Council)の活動に触発され、「同じような活動を日本で実現したい」と提唱したのがきっかけでした。高度経済成長期の日本では、生活水準が向上する一方で、環境汚染や公共マナーの悪化、人間関係の希薄化といった社会問題が浮き彫りとなっていました。佐治氏は「広告は人を説得するための最も強力な手段」と考え、広告業界に恩返しをする意味でも公共広告の仕組みを構築することを決意しました。

佐治氏は1969年11月、アメリカの広告会社を訪問した際に、ACの活動や作品に感銘を受け、帰国後すぐに公共広告を推進する団体設立を提案しました。1971年7月に関西公共広告機構が設立され、1974年には「社団法人公共広告機構」として認可。東京、大阪など全国8か所に事務局を置く体制が整えられました。こうした背景には、万博景気による経済的余裕や、企業・広告関係者の積極的な協力があったことが大きな要因とされています。

参照:公益社団法人ACジャパン

奇しくも2025年4月13日より大阪万博が開催
1970年に開催された大阪万博は、日本の高度経済成長を象徴するイベントでした。科学技術や文化交流を通じて希望を与える一方で、社会課題への認識を促す重要な役割も果たしました。そして、大阪万博の翌年にはACジャパンが設立され、現在50代の皆さんが生まれた時期とも重なります。
それから55年を経て、今年再び大阪万博が開催されます。 1970年の大阪万博のような盛り上がりには欠けているようですが、
テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
人生100年時代を迎える我々世代の“未来社会”は、もしかしたら50年先の3回目の大阪万博に立ち会える?なんてこともあり得るかもしれませんので、セカンドライフの人生設計もしっかりデザインしていきたいものです。



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