フリーランスから起業という選択肢 ― 副業から始める人生100年時代の働き方

近年、「会社に頼らず、自分の力で働く」という考え方が広がりつつあります。年金世代だけでなく、会社員や子育て世代、学生までもがフリーランスや副業を通じて自分の仕事をつくり出しています。フリーランスは「若い人の働き方」と思われがちですが、実際にはシニア層の割合も高く、世代を問わず選ばれる働き方になっています。

総務省の「令和4年就業構造基本調査」によると、働く人のうち本業がフリーランスなのは約209万人(全体の3.1%)。特に60歳以上では年齢が上がるほど割合が増え、75歳以上では8%に達しています。これは、フリーランスという働き方が「年齢を問わず続けられる仕事」であることを示しています。

・30~34歳:2.1%  16.5万人
・35~39歳:2.8%  23.5万人
・40~44歳:2.8%  25.5万人
・45~49歳:3.0%  30.5万人
・50~54歳:3.0%  29.3万人
・55~59歳:3.4%  26.5万人
・60~64歳:3.7%  23.8万人
・65~69歳:5.4%  24.4万人
・70~74歳:6.5%  20.2万人
・75歳以上:8.0%  17.7万人

出展:令和4年就業構造基本調査 結果の要約及び概要

フリーランスの魅力 ― 自分のペースで働ける自由さ
フリーランスの最大の魅力は、「自由度の高さ」です。働く時間、場所、仕事の内容を自分で選べるため、家庭や体調、ライフステージに合わせた働き方ができます。
副業として平日夜や週末だけ働くこともでき、少しずつ経験を積みながら将来の独立を目指す人も増えています。

また、会社員のように年金が減る心配がないのも安心材料です。定年後でも「収入を得ながら年金を受け取る」ことができ、生活の安定とやりがいの両立が可能です。

経験が資産になる ― フリーランスからの起業
フリーランスとして経験を積むことは、実は「小さな起業」そのものです。
案件の受注、顧客とのやり取り、報酬管理など、すべてがビジネスの基本。最初は個人で請け負っていた仕事が、やがて人を雇ったり、サービスをブランド化したりして、正式な起業につながるケースも少なくありません。

たとえば、
・文章やデザインのスキルを活かして制作会社を立ち上げた人
・家事代行や整理収納などの経験をサービス化した人
・趣味の手芸や料理をネット販売につなげた人
など、「できること」から始めて徐々に事業へ発展させる流れが一般的です。

副業としての第一歩 ― リスクを抑えて始められる

いきなり会社を辞めて独立するのは勇気がいりますが、今は副業から始めることができます。クラウドソーシングやスキル販売サイトを使えば、在宅のまま小さな仕事を受けることが可能です。
月数万円の副収入でも、フリーランスとしての経験を積むには十分。試行錯誤を重ねるうちに、自分の得意分野や市場のニーズが見えてきます。

特に近年は、オンラインツールの発達で全国の仕事にアクセスできるようになり、個人の可能性が一段と広がっています。

「好きなこと」を軸にするのが成功の秘訣
フリーランスから起業を目指すとき、大切なのは「好きなこと」「得意なこと」をベースにすることです。興味がある分野なら、学びも苦にならず、長く続けることができます。
たとえ小さな仕事でも、「自分の名前で収入を得る」体験は大きな自信になります。

また、フリーランスとして働くうちに自然と人脈も広がります。異業種の人との出会いが新しい仕事を生み、結果的に起業のきっかけになることも少なくありません。

フリーランスから始まる、自分らしい働き方
「会社員」か「起業家」かの二択ではなく、その中間に「フリーランス」という柔軟な選択肢があります。
まずは副業から、自分の力で小さく仕事をつくることから始めてみましょう。そこから得られる経験・人脈・自信が、次のステージである起業への第一歩になります。

年齢や立場に関係なく、「自分の可能性を試してみたい」という気持ちがあれば、誰でもフリーランスとして新しい働き方を始めることができます。

■ フリーランスの定義
フリーランス(freelance)とは、
特定の会社や組織に雇われず、個人のスキルや経験をもとに仕事を請け負う働き方を指します。
・雇用契約ではなく、業務委託契約などで仕事を受ける
・一人で活動することが多く、仕事の内容・時間・報酬を自分で決める
・事業規模は小さく、基本的に「自分=事業主」
・例:ライター、デザイナー、プログラマー、講師、コンサルタント、カメラマンなど

フリーランスは「個人の働き方」に焦点を当てており、
自分の労働力やスキルを直接提供することで収入を得ます。
いわば「ひとり社長のような働き方」です。

■ 起業の定義
起業(entrepreneurship)とは、
新しいビジネスや仕組みを立ち上げ、収益を生み出すことを指します。
・個人事業主として始める場合もあれば、法人(会社)を設立する場合もある
・自分以外の人を雇うことや、組織的にビジネスを運営するケースも多い
・商品やサービスの提供を通じて継続的に利益を出すことを目的とする
例:店舗経営、オンラインスクール運営、製品開発・販売、福祉事業など

起業は「事業を育てる行為」であり、
自分のスキルだけでなく、人・モノ・お金・仕組みを使ってビジネスを拡大していく点が特徴です。

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