「職」にまつわる言葉の変化と、#セカンドライフにおける“天職”の探し方

かつての日本では、「就職」すれば、あとは「定年退職」までひとつの会社で勤め上げるのが当たり前の時代でした。そこには“職”にまつわる言葉も限られていて、「就職」「退職」「再就職」くらいしか耳にすることはなかったかもしれません。

しかし、今や人生100年時代。社会は劇的に変化しました。定年後の人生は、場合によっては30年近く続く可能性もあり、もはや「退職」が“終わり”ではなく、新たな「はじまり」となっています。その中で、“職”にまつわる言葉も増え、多様化しました。

たとえば――

  • 就職:企業などに雇われて働き始めること。これが社会人としてのスタートでした。
  • 転職:別の会社に移って働くこと。かつては「根性なし」とも見られましたが、今ではスキルアップや人生設計の一環として当たり前に。
  • 副職:本業のかたわら、収入やスキルアップを目的に行うもうひとつの仕事。副業解禁の流れもあり、注目を集めています。
  • 兼職:複数の仕事を同時に掛け持つこと。ひとつの会社に縛られない生き方を選ぶ人も増えました。
  • 離職:自らの意思か、外的要因かにかかわらず職を離れること。これを機に人生を見直す人も少なくありません。
  • 再就職:一度職を離れた人が、再び働き始めること。育児や介護、病気を経て社会復帰する際の選択肢でもあります。
  • 適職:自分の性格やスキルに合っていて、無理なく続けられる仕事。
  • 天職:自分の使命とも言える仕事。やっていて喜びを感じ、周囲からも感謝されるような「自分らしい仕事」。

このように“職”を取り巻く言葉が増えたということは、すなわち働き方の選択肢が広がったということでもあります。反面、私たちの世代にとっては「複雑になりすぎた世の中」でもあります。

50代、60代というのは、心身の衰えを感じつつも、まだまだ社会とつながっていたい、役に立ちたいという想いが強い年代です。一方で、会社では再雇用制度のもと、給料や職責が下がり、モチベーションを保つのが難しくなることも。

「これからどう働けばいいのか?」
「今さら新しいことに挑戦するのは無理かもしれない…」

そう感じる方もいるかもしれません。

けれども、ひとつだけ言えるのは、このセカンドライフこそが、“天職”に出会うチャンスかもしれないということです。

若い頃は、生活のため、家族のために「やりたくないけどやらなければいけない仕事」も多かったかもしれません。でも今は、自分の経験や知恵、人脈を活かして「自分がやりたいこと」を形にすることができる時代。収入ももちろん大事ですが、やりがい生きがいといった感情も、セカンドライフでは重要な判断軸になります。

「こんな仕事が自分に合っていたんだ」
「もっと早くやっておけばよかった」

そう思えるような仕事――それが、あなたにとっての“天職”です。

私たちのような50代60代の世代は、AI時代に突入した今でも、人間らしさや経験に価値がある仕事では圧倒的に強い立場にあります。たとえば、介護、教育、相談業務、地域活動、小商い…。人生経験そのものが「商品」になることもあるのです。

定年退職は、キャリアの終わりではなく、再スタートの合図。
“天職”を見つけるには、これまでの“職”の概念を柔軟に捉え直すことが大切です。

複雑で不確実な時代だからこそ、自分の心に正直になりましょう。

セカンドライフの働き方に「正解」はありません。
ただし、“天職”とは、自分にとっての「納得解」であり、「自分のための働き方」のこと

ぜひ、これまでの経験を棚卸ししてみてください。
その中に、必ずヒントが眠っているはずです。

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