昨日7月1日の日経新聞に「企業4割、50代~60代に「人材過剰感」処遇見直しで意欲低下の悪循環」という記事が掲載されていました。

パーソル総合研究所が行った3月に行った調査(従業員300人以上の企業の人事・総務職を対象、回答数1028件)によると、60代社員を「人材が過剰」と感じている企業は36%、50代では38%にのぼった。特に大企業でこの傾向が強く、60代社員を「過剰」とする企業は、モチベーションの低下や生産性の低さを課題と感じている割合が高いことが調査結果に表れたそうです。

出典:企業4割、50〜60代に「人材過剰感」 処遇見直しで意欲低下の悪循環 – 日本経済新聞

超高齢化社会を迎え個人的にはその割合が高まっていくのではと思いますが、一方で、30代40代と同じ働き方が難しくなるのも事実。体力や集中力、家族環境の変化などにより、私たちは働き方そのものを見直す時期に差し掛かっています。多くの方が再雇用制度などで給料が下がり、これまで担っていた職責からも外れ、業務の中心から離されていきます。長年の経験や知見が十分に活かされることも少なく、精神的なやりがいも感じにくい状況。加えて体力的にも、30代・40代の頃と同じようには働けないという現実もあります。
人生100年時代の折り返しの50代はそれを踏まえてどうセカンドライフを設計していくかを考える大事な期間になります。

人生100年時代の新しい選択肢:
週3日は企業で、週2日は自分の好きなことで働く」
たとえばこんな働き方はどうでしょう。
週2~3日は企業で仕事を継続し、生活費の補填と起業資金の確保
週2~3日は、自分の得意なこと・好きなことを活かした小さな起業準備
 → 収入の柱をもう1本持つ
 → 自分のペースで働ける
 → 年金だけでは足りない生活費の補填
 →事業が軌道にのれば3日、4日にシフト

70代80代になったら起業の仕事日数を週3日→週2日→週1日と、体力や状況に応じて調整できます。これなら、無理なく社会人「生涯現役」を実現できます。
さすがに80代まで働きたくはないなと私自身も思いますが、その年代になると“仕事”ではなく、人・社会と自身を繋ぐ“趣味的”な感覚(例えばゲートボールに興じるような?)になるのではと、まだその年齢には到達していませんが、思っています。

大切なのは「収入」+「つながり」+「生きがい」
セカンドライフの働き方は、収入確保だけでなく、
・孤独にならない
・社会とかかわり続ける
・誰かの役に立っている実感

といった精神的な豊かさも大きな意味を持ちます。

まだ誰も歩いたことのない時間だからこそ、準備が大切
「人生100年時代」とは、実はまだ誰も本格的に経験したことのない未知の時間です。だからこそ、早いうちからその準備を始めることが大切です。経済的にも、精神的にも、自立しながら生涯現役でいられる働き方を設計する――その第一歩として、企業に依存しすぎず、自分らしく社会と関われる「小さな起業」に取り組んでみることを、私は強くおすすめします。

もちろん、悠々自適に過ごせる方はそれで良いと思います。しかし、私のように「再雇用+小さな起業+年金」という三つのポートフォリオで、大きく稼がなくても「生きがい」と「社会とのつながり」を持ちながら生涯現役を目指す道も決して悪くありません。

起業といっても、何も大きな資金をかけて始める必要はありません。自宅の一室を活用したり、週末の時間を活かしたりすることで、低リスク・小規模でスタートできます。今の時代は「小さな事業」でもオンラインで広く発信できる環境が整っています。

また、このような働き方は、健康状態や体力に応じて調整がしやすいという利点もあります。起業部分を週3日から週2日に減らしたり、逆に企業勤務を減らして起業活動を増やしたりと、ライフステージに応じた柔軟な設計が可能です。無理のない範囲で社会人「生涯現役」を目指す――そんな時代になりつつあります。

さらに、このように働き続けることは、経済面だけでなく「社会とのつながり」や「自分の居場所の確保」にもつながります。
家族以外の人との交流や、仕事を通じての達成感や感謝の言葉は、精神的な安定や生きがいにも直結します。
私自身も、独立後は時間の使い方が自由になりました。その分、家事にも積極的に関わるようになり、今では掃除・洗濯など家事全体の半分を担うようにしています。会社員時代は、ほとんどを家内に任せきりでしたが、自分で家事をするようになって、日々の暮らしの大変さやありがたみを実感するようになりました。

そして、これはもうひとつの「備え」にもなっています。夫婦のどちらかが先に亡くなるケースが大半であることを考えると、自炊を含めた家事全般を一人でこなすスキルは、将来一人になったときの大きな安心材料になります。

必要なのは、「引退」ではなく、変化シフトチェンジ
悠々自適で生活が出来る人は除いて、50代・60代こそ、人生の後半を見据えた「新しい働き方の設計」が求められています。

企業の処遇改善に期待するか、国の働き方改革に一票を投じるか・・・。「2024年早期退職公募1万人超え」、「2025年新入社員初任給30万円超え」関連のニュースに触れるたびに、わたしのように再雇用+小さな起業+年金の3つのポートフォリオで大きく稼げなくても、生きがいを感じながら社会人として生涯現役を目指すのも悪くはないのでと思っています。

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