一般的に、流通業の商品の価格は、 #売上総利益率(粗利率)が30%以上が理想と考えられていますが、 わたしが今運営するテナント事業とコンサルタント業は、基本仕入がほとんど無く売上総利益率は90%を越えます。 

売上総利益率30%は販売費及び一般管理費比率が約20%であるため、税引前利益を10%にするには、粗利率は30%以上にする必要があるからで、この考えに基づき、私は5年前、自然栽培無農薬茶の販売を立ち上げました。当時、健康志向の高まりと無農薬茶への関心が高く、自然栽培茶の専門店舗も極めて少なかったため、需要が堅調に推移すると見込んでの起業でした。特に、コロナ禍での在宅需要やリモートワークのオン・オフの切り替え時に、紅茶やコーヒーがよく飲まれているデータがあり、自然栽培茶も同様に注目されると考えました。売上総利益率を30%に設定し、成功を期待していましたが、結果は見事に外れてしまいました。

その理由は、小規模事業では売上規模が小さく、販管費比率が非常に高くなることです。また、ECモールを活用すると、仕入れ原価に加え、その手数料及び広告費等で15%から場合によっては20%前後かかり、さらに配送料やパッケージ代といったコストも加わるため、月に300万〜400万円の売上が必要になります。それほどの売上を確保するためには体制を整える必要があり、結果として人件費が増大しました。  事業開始から1年でサイトのページビュー数は1万件に達しましたが、自然栽培茶と慣行農法茶(化学肥料と農薬の使用を前提とした栽培方法)との差別化が難しく、市場では慣行農法による茶が圧倒的に多い 状況でした。このため、3年目で事業から撤退することを決断しました。

そこで私は、改めて「小さく一人で持続成長できる極小起業」に焦点を当て、販売管理費を極力抑え、 売上総利益率90%以上を目標にマイクロ起業のビジネススキームにフォーカスしました。わかりやすい例としては、テナント賃貸業やコンサルティングの他に士業などは仕入れの必要がほとんどなく=販管費が低くなり、PCやホームページ制作といった初期投資は必要ですが、高利益率が可能になります。継続的にかかる大きな費用はホームページの運営費ですが、これも内製化する事で売上総利益率90%を超えることが可能になります。 また、確定申告などの手続きも内製化していけば、決算料といった費用も削減できます。

なぜここまで売上総利益率にこだわるかというと、マイクロ起業のコンセプトが「月額5万〜10万円を生涯現役で稼ぎ続ける」という点にあります。仮に売上総利益率が30%だと、月に2倍から3倍の売上が必要で、10万円の利益を得るためには30万円/月の売上が必要になり、非常にハードルが高くなります。   しかし、利益率が90%の場合、売上がほぼそのまま利益になるため、月に5万円〜10万円程度の売上が あればその目標を達成することができます。これにより、より成長が持続するビジネス運営が可能になります。もちろん、業績が順調に拡大すれば法人化したり、人を雇うことも考えられるでしょう。

マイクロ起業コンシェルジュは完全個別対応を重視しており、対応人数に限りがありますが、将来的にはホームページを通じてマイクロ起業家同士が繋がるプラットフォームを目指しています。そのため、   ホームページの自社管理スキルはさらに重要になってくると思います。

マイクロ起業の魅力は、一人で始められ、低コストで運営できる点です。現代のインターネット技術を活用すれば、新しい事業展開も初期投資を抑えながら長期的な収益を得ることが可能だと思います。人生100年時代でも安心して社会と繋がり、現役で活躍し続けるための手段として、マイクロ起業は非常に有効だと考えています。

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