50代を迎えられる方々は、入社当時のバブル崩壊から就職氷河期、失われた30年の真っ只中を、家族のためキャリアアップのため仕事と真摯に向き合ってきたのではと思います。

長寿化で定年後にも、新たに30年間前後使える時間が生まれるようですが、元気なうちは出来るだけ長く仕事をと考えている方が、その貴重な経験を活かす職場を探すのはとても難しそうです。

日本は今、人生100年時代を迎えていますが、これまでの社会情勢や経済環境を振り返ると、50代を迎えた世代の方々は、バブル崩壊や就職氷河期といった激動の時代を生き抜き、仕事と家庭の両立に身を粉にして取り組み、家族やパートナーのためにひたすら努力を続けてきた人も多いと思います。そして、定年という節目が見え始めた今、ようやく一息つきたいと思うのは当然のことかもしれません。

しかし、現実は厳しい一面を持っています。定年後の高齢者の約6割が年金だけでは生活費が不足しており、70歳の半数弱の方が何らかの仕事に従事しているのが実情です。 従前、アルバイト、非正規雇用が中心で、かつての就職氷河期以上に厳しい状況にあります。特に60歳後半ともなると、仕事を選ぶことすら難しく、これまで培ってきた経験を活かせる職場を見つけることはほぼ皆無と言っても過言ではありません。
一方で国は、定年延長を推進し社会人生涯現役を推奨しています。理想としては、多様性の時代にふさわしい選択肢が広がっているはずですが、現実的には国は年金問題、労働力不足の緊急避難的改善が先行し、企業は歪な年齢構成の是正や人件費高騰の抑制、労働環境の課題が山積しており、職場の高齢化や働き手の役割に関する議論が十分に進んでいるとは言えない状況です。

さらに最近では、ITやAI、DXなどのテクノロジーの進展、リモートワークなどの普及により社会や働き方の環境を大きく変えています。これにより、働き方改革が進み、仕事と家庭の両立や多様な働き方が可能になりつつあります。しかし、セカンドライフにおいては、企業がシニア層を積極的に正社員として採用する動きや、ハローワークの求人も事務職はほとんどなく、特に60代後半になるとフィールドワークの募集が中心になります。

一昨日の11月14日 #第一生命ホールディングスが希望退職を1000人規模で募集 50歳以上が対象というニュースが報道されましたが、2024年企業の「早期・希望退職者」募集は年間1万人ベースになっています。
こうした現状を踏まえると、50代を迎えた皆さんが「セカンドライフ」にどのように向き合うべきか、あらためて考える必要があるのではと思います。ただ年金を頼りにするだけではなく不安定な時代に、 戦力として企業が積極的に必要としないのであれば、皆さんの経験を活かし好きなこと得意なことで起業し、生きがいをもって社会人生涯現役で暮らしていくかを計画することが重要なのではと思います。

セカンドライフを考えるためのアプローチ
まず大切なのは、自分の経験やスキルを見つめ直し、それを活かせる道を模索することです。もし現業で働いているうちに時間を確保できるのであれば、独学や起業コンサルタントへの相談などを通じて、自分が得意とする分野でどのように価値を提供できるかを考える時間を作っていただければと思います。大規模な事業を起こす必要はありません。年金を補填しつつ、生きがいを持って働ける程度のスモールビジネスで十分だと思います。

また、デジタル技術を活用することも視野に入れるべきだと思います。リモートワークやオンラインツールを活用すれば、地理的な制約を受けずに仕事をすることができます。これまであまり馴染みがなかったインターネットの世界や一人起業では不安かもしれませんが、基本的な操作やツールの使い方を学ぶことで、大きな可能性が広がると思います。

セカンドライフを充実させるために
セカンドライフを考える上での最初の一歩は、「何をしたいのか」「どのような生き方を目指すのか」を明確にすることだと思います。これまでの働き方や生活を振り返り、人生で大切にしてきた価値観や、自分にとっての喜びを見つけ出してください。その上で、経済的な基盤や健康の維持、家族との関係といった実際的な面も考慮しながら、具体的な行動計画を立てたいところです。
例えば、地域社会でのボランティア活動や、趣味を仕事に結びつける形での副業など、自分に合った生きがいの形を探してみるのも一案です。また、同世代の人々とのネットワークを広げ、情報交換やアイデアの共有を行うことも、良い刺激となるのではと思います。

何よりも大切なのは、日本経済が低成長時代においてもなお企業業績を下支えしてきたご自身の豊富な経験を信じることだと思います。50代という節目は、人生の第四コーナーではなく、第二の人生の助走地点とも言えます。この先も、時代に応じた変化を受け入れ、自らの経験を活かして挑戦し続けることで、充実したセカンドライフを築くことができるのはと思います。

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