わたしのように会社勤めが長かった60代は、一旦は継続雇用や再雇用を選択したものの、現実とのギャップを感じ、改めて「起業していたら・・・」と振り返る世代でもあるのかもしれません。
出典:「2023年度起業と起業意識に関する調査」2024年1月18日 日本政策金融公庫 総合研究所kigyouishiki_240118_1.pdf
50代以降は、老後の資金や年金、健康、介護、再雇用、そして長寿による生活費の不足といったさまざまな課題に直面しており、最も悩みが多き世代と言われています。それらの問題は密接に関連しており、個々の問題を解決するだけでは十分でなく、全体を俯瞰し、定年後の30年を見据えた優先順位の設定と包括的なサポートが必要だと思われます。
こうした課題の相談先は多数ありますが、それぞれの課題ごとに異なる窓口が分かれているのが現状です。例えば、起業に関してはコンサルタントやセミナー、老後資金の計画にはファイナンシャルプランナー(FP)、再雇用はハローワークや人材登録会社、介護は役所や地域包括支援センター、終活の相談は司法書士や終活支援企業などに分かれています。そのため、起業してもアフターサービスが一部残るのみで、多くが追加費用が発生したり自己責任となったり、老後資金や介護などの課題に直面した際には各窓口を訪れる必要があるため、突発的になり時間や労力が余計にかかることになります。
こうした50代からのセカンドライフに求められる多様なニーズに応えるためには、実際に起業やコンサルの経験があるだけはなく、人生100年時代の到来においてセカンドライフを少し先行、終活のライフイベントを先に経験していて、長期的な視点で伴走するコンシェルジュ的なサポートが必要になると考えています。 私たちは、単に起業支援にとどまらず、FP資格を活かし老後資金計画や介護、終活までを含むワンストップサービスを提供しています。また、生涯現役が重要となるため、起業の成功の確率を高めリスクを最小化するため50代からの起業シュミレーションを提案しています。
私は、33年の広告会社での経験を通じて国内で17年間マーケティング戦略やブランド戦略に携わり、16年間海外市場で実践経験を積ませていただきました。特に海外領域においては、12年間の現地駐在経験があり、市場開拓から会社設立、経営管理、マーケティング戦略、そして全くゼロからの得意先開拓などの経験を積ませていただきました。
海外拠点の立ち上げ、新規顧客開拓、インドやASEAN、中国といった30億人の市場で拠点を統括してきた経験も活かせればと思いますが、セカンドライフは小さく起業し持続することが何より優先されますので国内領域に集中し、越境ECなどの展開の際には対応なども可能になります。
独立・起業後は、さらにFP資格や貸金業取扱主任者資格を取得して、資金計画や金融に関するアドバイスも可能で、50代の方々が直面する課題に幅広く対応できると思います。現在は起業と並行して3社のコンサルタントも務めさせていただいています。
給与が役職定年、定年退職、継続再雇用などで段階的に減少していく50代にとって、現在の仕事を続けながら兼業で起業の準備を進めることが一つの重要な選択肢になると思います。起業が成功すれば生涯現役で働き続けることが可能になりますし、万が一失敗したとなっても起業活動で取得した新たな資格やスキルを生かして再就職の道を選ぶこともできると思います。特に「好きなことを仕事にする」意識を持つことは、シニア世代としての新しい挑戦を豊かなものにすると思います。
まとめ
50代の方々が「セカンドライフ」で実りある人生を歩むためには包括的なサポートが不可欠になると思います。特に老後資金の確保は重要で、70歳の約半数が何らかの形で働き続けているという統計からも、その必要性が浮き彫りとなっています。
私たちは、50代の方々の少し先を行くガイド役として、少しでも安心して未来を見据えた準備をお手伝いしたいと考えています。政府が「可能な限り働き続ける」ことを奨励する中、50代のうちから現業との兼業で準備を重ねることで、リスクを最小化し、好きなことでの起業に挑戦、その中で生涯現役で働き続けることが現実的な選択肢として見えてくるのではないでしょうか。
わたしは52歳の時に家を建て、本格的な起業が60代になったこともあり、月10万円の収入では赤字になりますが、それでも60代半ばで何とか起業で社会人生涯現役を続けられる目途が立った感じがします。 これからは事業の拡大ではなく、自分のペースでできる範囲でシニア起業家同士がつながれるポータルの準備を目指していければと考えています。