2024年7月5日に厚生労働省が発表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金を受給している高齢者世帯のうち58.3%は、年金のみでは生活できない状況にあり、昨年と比べて2.3ポイント増加しています。私も昨年12月から年金を受給していますが、所得税、住民税、健康保険料、介護保険料に加え、物価高騰の影響もあり、いただけるだけ有難いと言えますが、社会人生涯現役を如何に続けていけるか、日々葛藤しています。
令和元年度の厚生年金(国民年金分含む)の平均受給月額は約14万4,000円です。厚生年金の受給額は、保険料の納付月数と収入によって決まるため、収入が高いほど受給額も多くなります。男女差があり、男性の平均受給月額は約16万5,000円、女性は約10万3,000円です。一方、高齢者の平均生活費は、単身世帯で16万7,620円、二人以上の世帯で約29万3,997円となっています。
年金を月15万円もらうには、試算レベルですが40年間の平均年収がおよそ436万円(月額36万2,931円)であれば、将来、月15万円の年金を受け取れるということになります。また、老齢厚生年金には、要件を満たす配偶者がいる場合、配偶者加給年金を受け取ることができます。働き方や給与額によって年金額は異なるため、詳しくはねんきん定期便や日本年金機構にお問い合わせください。
2024年4月分からの年金額は、法律に基づき算出された賃金変動率を基準に改定され、令和5年度と比べて2.7%引き上げられました。これはバブル期以来の高い伸び率です。しかし、「マクロ経済スライド」という将来の年金給付水準を確保するための仕組みによって、引き上げ率は賃金の伸びよりも0.4%低く抑えられ、実質的には目減りとなっています。
2023年の消費者物価指数は3.1%上昇し、41年ぶりの高い伸びを記録しました。特に食料品の高騰が影響しています(総務省)。
高齢者の2022年度の就業率は過去最高となっており、65~69歳は50.8%、70~74歳では33.5%と、3人に1人が働いています。雇用形態別に見ると、非正規職員・従業員が76.4%を占め、その中でもパート・アルバイトの割合が52.5%で最も高くなっています。
私が会社に入社した頃は、60歳定年が当たり前で、退職金と年金でつなげば、贅沢はできなくても、そこそこゆとりのあるセカンドライフを想像できていたように思います。しかし現在、定年後のセカンドライフがサラリーマン時代とほぼ同じ30年前後あることを想定すると、人生設計を根本から見直す必要があると感じています。
「生涯現役社会」において、シニアに人気のある事務職は「就く時代」から自ら「創る時代」へと移行していくのではないかと考えています。
参照:厚労省「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
家 計 調 査 報 告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要
総務省「統計からみた我が国の高齢者」