#『ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う』で、稼ぐべきは月10万円とありますが、経験からも本当にそうだと思います。

出典:ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う 坂本貴志氏著

定年後の生活を支えるために、月10万円を稼ぐという目標は、多くの高齢者にとって現実的であり、必要なことかもしれません。特に、年金や貯蓄だけでは十分な生活を維持するのが難しいと感じる人にとって、この金額は一つの指標となると思います。
しかし、実際に月10万円を稼ぐ方法や、どのような形態で、できるだけ長く働くにはどうするのかは、人それぞれの状況や選択肢によって大きく異なると思います。

まず、60代や70代の働き方としては、雇用形態は多くの場合「継続雇用」「再雇用」そして「アルバイト」、「パートタイム」など非正規雇用が多くを占めます。企業側としては、シニア層を積極的に正社員で採用しているケースは少なく、特に専門職以外の職種では選択肢が限られています。介護関係、管理人、あるいはフィールドワークなどが考えられますが、いずれも年齢を重ねるごとに選べる職業選択の幅が少なくなってしまうのが現状です。

職に就けたとしても、60代や70代の就労者は、意欲の低下やモチベーションを如何に維持するかが難しくなることも多いです。アルバイトやパートの仕事は、もちろんそれが自分に合っているという人はいらっしゃると思いますが、単純な作業も少なくなくどうしても「稼ぐためだけ」に感じられることが多く、モチベーションを高めるのが難しいという点が指摘されています。このような状況下で、長く働くことを目指しても心からやりがいを感じることができなければ、働くこと自体が苦痛に感じられてしまう可能性があります。

国が推進している「生涯現役社会」も、高齢者の働く意欲を支えるために設計された政策ですが、介護やサービス業など、高齢者の方が多く従事している職種はあるものの、これらの職種は厳しい労働環境や賃金の問題を抱えていたり、誰もが希望する職場環境ではなく雇用契約期間も短めになることも多くあります。結果として、雇われる側も補充、穴埋め的に使われている感覚を持つことがあり、職場での居心地が良くないと感じることもあります。

社会と繋がって、モチベーションを維持しながら月10万円を稼ぐ方法であれば、現業・継続雇用と兼業しながら起業するのは難しいでしょうか。 再雇用で週三日、起業家として週二日働くイメージです。 アルバイトト・パートで稼ぐ月10万円より、月5万円でも起業収入はとても大きな充足感を与えてくれます。 理由は代表としてのモチベーションは金額以上に大きく、生涯現役で続けられる可能性が高まることです。 「代表」という肩書きや役割は、やりがいや社会とのつながりを実感させ、特にシニアにとって、社会との繋がりを維持することは、健康や生活の質を保つ上で非常に重要な要素になります。

必ずしも大規模なビジネスを立ち上げる必要はありません。例えば、自宅を拠点にした小規模なサービス業や、趣味や特技を活かした副業的な事業でも十分です。このような形で起業をすれば、仕事をしながらも自分のペースで働き続けることができ、モチベーションを維持しやすくなります。また、何よりも事業主として自分の意思で働くことができるため、協力会社など社会との繋がりを強く感じることができます。うまくいけば10万円以上を稼ぐことも可能です。

特に現業をお持ちの50代であれば、継続雇用期間をも想定しながら起業の準備を並行し、ゆっくり進めることも可能になり、定年後に選択肢が増えることに重要な意味があります。

これは、年金や貯蓄に加えて、生活の基盤を支える大きな要素となるでしょう。もちろん、全ての人が起業に向いているわけではありませんが、自分の特技や経験を活かしたビジネスを極小=マイクロ起業で始めることで、リスクを最小限に抑えながらも、収入を健康な間は得続けることが可能になります。

起業向いていなく、企業の再雇用で繋ぎたいと考えている方は、70歳や75歳といった「第二の定年」「第三の定年」が待ち受けていますので、それ以降は仕事を続けることすら難しくなる前提で、その時までに老後資金を確保しておく必要があると思います。老後資金を確保出来ている方はこの限りではないですが・・・。

老後資金はとても重要ですが、それ以上に「どう生きがいを感じながら働き続けるか」という視点も大切だと思います。単にお金を稼ぐだけでなく、やりがいを感じ、社会と繋がり続けることが、定年後の生活の質を大きく左右します。再雇用やアルバイトの選択肢が狭まる中、自分で事業を持つことで、より自由で意義のあるセカンドライフを送ることができるのではないでしょうか。 

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