3/4:時代は、SDGs循環型ビジネスが主流になることは間違いないと思いますが、50代からの一人起業は、規模を求めると対応体制の整備等投資金額が膨れますので注意が必要です。
自然栽培茶事業の展開と課題
事業の立ち上げにあたり、九州各地のお茶農園を訪ね、自然栽培茶葉の味わいや品質を徹底的に吟味しました。環境に優しく、消費者にとっても健康的な茶葉を選び抜き、ECサイトと実店舗での販売に注力しました。当初は、ホームページへのアクセス数が9カ月目で10,000PV/月を超えるなど、順調なスタートを切りました。
しかし、次第にいくつかの課題が浮き彫りになりました。一つは、ECモールへの出店手数料や送料の高騰が収益を圧迫したことです。これにより、大量販売が必須になり、販売体制への投資額が膨らんでいきました。また、国内市場の90%以上を占める慣行農業のお茶(肥料使用茶)に比べて、自然栽培茶は6%程度でコスト面や認知度で劣勢に立たされ、差別化が難しいという現実がありました。さらに、ECで購入いただいた方の発送拠点として選んだ嬉野での設備費用も重くのしかかりました。
加えて、ホームページ制作やコンテンツ運営を外部委託したため、多額の費用が発生しました。これらの要因が重なり、事業は経済的な持続性を失い、撤退を余儀なくされました。
マイクロ起業への転換とその教訓
失敗を教訓に、わたしは事業規模を最小限に抑え極小さく始めるマイクロ起業にシフトしました。現在では、テナント事業、パワーストーン販売、コンサルティング業を手掛け、WEB制作、コラムなどを内製化することでコストを削減し、収益性を高めています。
この経験を通じて、SDGsなど時流を考察しながらも事業は小さく、無理のない範囲で運営することがセカンドライフにおいて、生きがいと収入を両立させる重要なバランスであると改めて感じました。
起業準備とセカンドライフへの提案
持続成長する事業は、生涯現役で仕事をすることにおいて特に重要になります。
企業での再雇用で生涯現役が出来れば良いのかも知れませんが、経済の先行きが不透明な中で、シニア市場は拡大しており、再雇用の環境は厳しく、定年を間近に控えた50代60代の方々にとって就職の選択肢は限られています。
企業は若手を優先し、中高年の給与削減や早期・希望退職を進める傾向があります。今年だけでも早期・希望退職募集が1万人を超える予想もあり、必ずと言って良いほど含まれる層が50代です。この現実を踏まえると、起業や副業を50代から準備だけでもしておくことが重要だと考えています。
一度65歳になったと仮定し、求人サイトにアクセスしどのような職業、募集条件になっているのか調べてみてはと思います。現状の厳しさを実感できるかもしれませんが、我々が提案するのは、
・定年までの50代に兼業・副業として事業を始め、新規事業の検証及び顧客開拓や市場の反応を見る
・継続雇用期間は再雇用と小規模起業の兼業で推進
・65歳の時点の状況をみて、起業を軸にするのか再雇用で行けるところまで行くかを判断・・・
このアプローチは、リスクを最小限に抑えつつ、再雇用と起業の両方を検証できる選択肢になると思います。
結びとして
起業で最大の課題となるのは、新規顧客の開拓だと思います。この課題解決の一助になればと、このホームページを起業家の紹介&顧客開発のタッチポイントとして活用できないか考えています。 このサイトに起業経験者の紹介やリンクを掲載、ゼロからスタートするリスクを軽減する仕組みを提供し、定年退職までの期間の集客を支援。 Web制作の内製化を推進し、コストを削減しつつ、自立したビジネス展開を支援できればと計画しています。
セカンドライフにおける仕事は、「就く」から「創る」に変わっていく時代がそう遠くないタイミングやってくると思いますが、長寿リスクに備えるには、年金や再雇用だけに依存しない生涯に渡る収入源の確保、それには小さい起業が最も有効な手段であると思います。50代の現業がある内から始め、経験を積み重ねることで、持続可能なビジネスモデルを構築できると思います。
次は起業のヒントにした最後のテーマ、プラットフォームビジネスについてです。