超高齢化社会で今後も増加が予想される介護離職者の人数と介護離職率
総務省の令和4年就業構造基本調査によると、過去1年間で「介護・看護のために」仕事を辞めた人は約10.5万人おり、離職率は全体の1.8%に達します。特に50代後半で多く、男女別では女性がやや多い傾向があります。離職の主な理由は「仕事と介護の両立が難しかったため」であり、次いで「介護を担う家族や親族が自分しかいなかったため」が挙げられています。このように、多くの人が仕事と介護の両立に苦しみ、介護による離職を余儀なくされている現状があります。
日本全体では約630万人が介護をしており、そのうち約365万人が仕事と介護を両立しているとされています。しかし、介護は先が見えず、身体的にも精神的にも大きな負担を伴います。介護中は転倒や急病といった突発的な出来事も多く、常に気を張っていなければならないため、仕事と介護の両立は非常に困難です。
私自身、母の要介護度が要支援2から要介護4(一次的に要介護5)に進行する中で、在宅介護を経験しました。介護度が上がると、自分一人でできることが限られ、介護に費やす時間も増えました。就労は一時的に休止しましたが、小規模起業の準備は継続していました。介護認定申請や行政サービスの対応、そしてコロナ禍の影響もあり、介護と就労の両立がさらに難しくなったため、一人でできるマイクロ(極小)起業にシフトしました。
特に母はデイサービスが苦手で、週2回の利用申し込みをしても、当日“微熱”がよく出て(笑)、実質的には在宅介護がメインとなりました。この状況で、家族にも大きな負担がかかりました。介護費用と収入のバランス、そして親の介護が終わった後の復職の難しさが課題となっていますが、マイクロ(一人)起業によって少しでも収入を得ることで、精神的な負担を軽減できました。
介護離職が増加する中で、マイクロ(極小)起業は一つの解決策として注目される選択肢の一つと考えています。介護と小規模起業で、柔軟な働き方を模索し、自己実現や経済的安定を図る手段として、マイクロ起業の可能性を探る価値があるのではと考えています。