カーネル・サンダースが、ケンタッキーフライドチキンを正式に立ち上げたのは65歳でした。彼は50代までに40種に上る様々な職業を経験し、紆余曲折を経て最終的に世界的成功を収めました。 時代背景も国も違いますが、60歳代で無一文で始めたことは紛れもない事実で、この話は、年齢を理由に挑戦を逡巡している人々にとって、大きな励みとなるのではと思います。多くの方が「もう遅い」と思いがちですが、実は、どの年代にも新たな挑戦の選択肢が無限にあるのだと思います。
50代、60代は継続再雇用を選択しても起業を選んだとしても100%の正解はないと思いますので、どちらを選択するにしても明確に自らの意志として“判断”することが大事なのではと思います。
その中で50代という人生の節目は、次のステージへの準備に最適な時期になると思います。現業を続けながら少しずつ計画を立てることで、定年後や早期退職後の生活に備えることができると思います。まずはねんきん定期便や老後の生活費を試算し、将来の経済状況をシミュレーションしてみて頂ければと思います。不足が見込まれる場合は、生涯現役を目指す選択肢を50代で構築する必要が出て来るのではと思います。
その際、好きなことや得意なことを活かして小規模な起業を目指すのも一つの良い選択肢に入ると思います。大規模なビジネスを目指す必要はありません。月10万円を一つの目標に、地域や社会に貢献できる事業を立ち上げることで、収入を得るだけでなく生きがいや社会とのつながりも得られると思います。 大きな成功を期待しない代わりに生きがいや社会貢献のバランスを求めればハードルはそれほど高くはないのではと思います。
セカンドライフを設計するポイントとしては・・・
重要なのは自分自身が充実感を得られることだと思います。好きなことや得意なことを基盤に小さく起業し、まずは年金だけでは不足する生活費分の収入を目指す。これにより、生活の足しになるだけでなく、新たな人間関係や生きがいを得ることができると思います。
その際に、自分の第二の人生をデザインする留意点としては・・・。
- 経済的シミュレーション: 年金や貯蓄をもとに収支を把握する。
- 好きなことを見つける: 長年の趣味や特技を仕事に活かす方法を探る。
- 社会とのつながりを意識する: 地域社会やコミュニティに貢献することで、喜びと充実感を得る。
また、近年 社会人の学びなおし「リカレント教育」が注目されていますが。
これからの時代は、多様なライフスタイルやライフステージの変化に応じた生き方や働き方が一層求められるようになり、専門的な知識や新たなスキルを学ぶ、リカレント教育も重要になると思います。
「大日本沿海興地全図」を完成させた。伊能忠敬は、年齢を重ねても学び直しが可能であることを示す好例だと思います。 1745年に千葉県の名主である小関家で生まれ、40代まで家業に尽力しました。45歳頃から独学で暦学を勉強し始め、1794年に長男に家業を譲って江戸に出て、幕府付き天文学者の高橋至時に弟子入りしました。天文観測を学ぶうちに測量に興味を持ち、50代半ばで蝦夷地(北海道)測量を開始し、日本全土を17年かけて歩いて測量を行い、73歳で亡くなるまでに生涯をかけて日本地図を完成させました。
年齢を理由にブレーキをかけるのではなく、少しずつでも前進し続けることで、新たな可能性を切り開く。歴史に名を刻む偉人でなくとも、自分の人生を楽しみ尽くすことができれば、セカンドライフでの充実感に繋がるのではと思います。