※本記事は2026年時点の情報に基づき一部更新しています。
「親を扶養に入れた方が得ですか?」
50代になると、親の年金生活や介護、医療費の問題が現実味を帯びてきます。
一方で、2026年度も続く「年収の壁」議論や社会保険制度の見直しによって、扶養の考え方は以前より複雑になっています。
実際には、
- 扶養に入れることで節税できるケース
- 逆に医療費や介護費用が増えるケース
- “税金だけ扶養”が有利なケース
など、家庭によって最適解が大きく異なります。
特に50代は、
「自分の老後資金」と「親の支援」が同時に重なる世代。
だからこそ、制度を正しく理解しておくことが重要です。
親を扶養に入れるには?
「税金の扶養」と「社会保険の扶養」は別物
まず最初に知っておきたいのが、
扶養には2種類あるという点です。
① 税金上の扶養(扶養控除)
所得税・住民税を軽減できる制度です。
② 社会保険上の扶養
親の健康保険料負担を軽減できる制度です。
この2つは条件も手続きも別です。
「税金では扶養に入れるが、社会保険では入れられない」
というケースも珍しくありません
2026年度版|親を税金の扶養に入れる条件
親を扶養に入れると、「扶養控除」を受けられます。
基本条件
親の年間所得が48万円以下
(給与収入のみなら年収103万円以下)
年金収入のみの場合
| 年齢 | 年金収入の目安 |
| 65歳未満 | 108万円以下 |
| 65歳以上 | 158万円以下 |
※給与収入と年金収入がある場合は合算して判定します。
扶養控除はいくら?
70歳以上の親は控除額が大きい
親が70歳以上の場合、控除額は大きくなります。
| 条件 | 控除額 |
| 同居老親 | 58万円 |
| 別居の親 | 48万円 |
所得税・住民税を合わせると、
年間数万円〜十数万円の節税になるケースもあります。
特に50代は、
- 子供の教育費
- 住宅ローン
- 自分たちの老後資金
が重なる時期でもあるため、扶養控除の影響は意外に大きいのです。
2026年度版|社会保険の扶養条件
親を社会保険の扶養に入れると、親自身の健康保険料負担がなくなります。
収入基準
基本
年間130万円未満
60歳以上・障害者
年間180万円未満
同居・別居で条件が変わる
同居の場合
親の収入が扶養者の収入の2分の1未満
別居の場合
仕送り額より親の収入が少ないこと
注意|75歳以上は扶養に入れない
親が75歳になると、
「後期高齢者医療制度」に移行します。
そのため、子供の健康保険の扶養には入れません。
ここは勘違いが非常に多いポイントです。
親を扶養に入れるメリット
① 税金が安くなる
最も分かりやすいメリットです。
扶養控除によって課税所得が減るため、
- 所得税
- 住民税
の負担が軽減されます。
② 親の健康保険料負担が軽くなる
社会保険の扶養に入ると、
親が個別に健康保険料を払う必要がなくなります。
年金生活の親にとっては、大きな支援になることもあります。
③ 医療費を合算できる場合がある
高額療養費制度では、
世帯単位で自己負担額を合算できるケースがあります。
医療費が増えやすい高齢期には、見逃せないポイントです。
しかし注意|扶養には“落とし穴”もある
ここからが重要です。
扶養は「入れれば得」とは限りません。
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デメリット①
高額療養費の自己負担が増えることも
親と子が同一世帯扱いになることで、
所得区分が上がるケースがあります。
例えば、子供の年収が高い場合、
自己負担限度額が上昇し、
結果的に医療費負担が増えることがあります。
特に、
- がん治療
- 長期入院
- 高額薬剤
などがある場合は慎重な検討が必要です。
デメリット②
介護保険料が上がる場合がある
65歳以上の親が同居している場合、
世帯収入で判定されるため、
親の介護保険料が上がるケースがあります。
自治体によっては、
「扶養に入れた結果、介護保険料が倍近くになった」
というケースもあります。
デメリット③
介護サービス利用料が増えることも
介護サービスの自己負担割合も、
世帯収入によって変わる場合があります。
つまり、
- デイサービス
- 訪問介護
- 施設利用
などの費用が増える可能性もあるのです。
介護が始まっている家庭ほど、
事前シミュレーションは重要です。
実は多い
「税金だけ扶養に入れる」選択
最近増えているのが、
「税金の扶養だけ利用する」
という方法です。
理由は、
- 税金の扶養 → デメリットが比較的小さい
- 社会保険の扶養 → 医療・介護面で影響が出やすい
ためです。
特に50代は、
「親の介護リスク」
も考えなければならない世代。
単純に「扶養=得」と考えず、
トータルで判断することが大切です。
親を扶養に入れる手続き
税金の扶養
勤務先の年末調整で申告します。
必要になることが多いもの:
- 親のマイナンバー
- 所得確認資料
- 年金額の確認
社会保険の扶養
勤務先経由で健康保険組合や協会けんぽへ申請します。
求められることが多い資料:
- 住民票
- 仕送り証明
- 年金振込通知書
- 課税証明書
健康保険組合によって条件が異なる場合もあるため、事前確認が重要です。
2026年以降の「年収の壁」議論にも注意
現在も、
- 103万円の壁
- 106万円の壁
- 130万円の壁
の見直し議論が続いています。
今後は、
- 社会保険加入対象の拡大
- 扶養制度の見直し
が進む可能性もあります。
そのため、
「今は得でも、数年後は変わる」
可能性も視野に入れておく必要があります。
まとめ
扶養は「節税」だけで判断しない
親を扶養に入れることで、
- 税負担軽減
- 健康保険料軽減
などのメリットがあります。
一方で、
- 医療費負担増
- 介護保険料増
- 介護サービス費増
といった見落としやすいデメリットも存在します。
特に50代は、
「親の介護」
「自分たちの老後」
「働き方の変化」
が同時に押し寄せる世代です。
だからこそ、
「制度上得かどうか」だけでなく、
家族全体の将来負担まで含めて考えることが大切です。
迷った場合は、
- 勤務先
- 税理士
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- 地域包括支援センター
などに早めに相談しておくと安心です。
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