テナント事業を個人事業主として開始、軌道に乗った段階で、二つ目の柱として「自然栽培茶事業」の開始準備を進めました。そこで、個人事業主1社で新規事業をスタートさせるか、別の事業体として法人化するかで迷いましたが、最終的には2社目の株式会社で推進する決断をしました。 何故かというと・・・

その主な理由は以下の3点です。

  1. 自然栽培無農薬茶事業が万が一うまく行かなった場合、片方の事業を清算すればよいこと
  2. 信用面の強化と事業の再構築。コンサルタント事業を想定していたこともあり、法人がより信頼度が高まること、そしてテナント事業に干渉しないようにしたかった
  3. 社会保険に加入でき、税制や確定申告などでも優遇が受けられる可能性があること

これらの理由について、順に説明させていただきます。
1. 事業リスクの分散
テナント事業は、仕入れがほとんどなく、毎月ほぼ決まった金額が振り込まれ、発生する経費もほぼ固定です。時折、修繕費などが発生することはありますが、確定申告は非常にシンプルで、ほとんどの処理を自分で内製できます。また、会計業務は青色申告会に依頼すれば、会計ソフトの資料料込みで年間1万5千円~1万8千円で程度で済みます。

一方で、自然栽培無農薬茶事業では、茶葉の仕入れやパッケージ代、発送費用などが発生し、会計管理が複雑になり、一般的な個人事業主としての範囲を超えるような会計処理が必要になる可能性が高くなります。したがって、万が一この事業が失敗した場合でも、法人として単独で清算すれば、個人事業主としてのテナント事業には何ら影響を与えることはありません。

2. 信用面の強化と事業の再構築
自然栽培無農薬茶事業を立ち上げる際、パンデミックの影響で事業の再構築を迫られました。その際、リスクの少ないコンサルタント業を並行して開始しましたが、コンサルタント業は信用が重要な業界です。そのため、個人事業主よりも法人化することで、信頼感を高める必要があると判断しました。

さらに、テナント事業は維持費も少なく手間もかからないため、あまり手を加えずに現状の個人事業主で管理することにしました。一方で、まだ安定していなかった自然栽培無農薬茶事業は、コンサルタント業も対応領域として法人化することで扱い拡大を目論見、売上総利益があがるようしてリスクヘッジをしたいと考えました。

3. 社会保険への加入と税制のメリット
法人を設立した三つ目の理由は、社会保険に加入できる点です。個人事業主のままでは国民健康保険に加入することになりますが、法人化すれば社会保険に加入でき、将来的には年金にプラスの影響を与えます。
国民健康保険料は決して安くなく、扶養という概念がないため社会保険の方がメリットがあると思います。また、法人化することで自分への給料を支払うことも可能になり、一定の売り上げが上がれば法人税の方が個人事業主の所得税よりも低くなる可能性もあります。
ただ、法人化には設立費用や運営コストがかかりることになります。設立費用はおおよそ25万円~50万円、設立後は顧問料や決算報告書申告費用等も発生します。費用はピンキリだと思いますが、わたしの例で言いますと年間30万円前後支払っています。そのため、個人事業主としての課税所得が800万円~900万円前後を超えるかどうかが、法人化を検討する一つの目安になると思います。

50代からの起業は、小さく、極小さく始めることが基本です。
まず、起業を考えている方には、最初は個人事業主として事業をスタートすることをお勧めします。Taigaマイクロ起業は投資費用は5万円~6万円程度/年間、確定申告代は青色申告会で約1万5千円~1万8千円/年間で抑えるカリキュラムとなっています。現在のビジネス環境では、インターネットを活用することが欠かせないため、Webサイトの制作や管理を内製化することが出来れば維持費を最小に抑えることが可能になります。
私自身もアナログ世代ですが、独学でWeb制作を自分で行いました。今はソフトも拡充していますので専門的なスキルがなくても誰でも取り組めると思います。これにより、週3日ほどの再雇用の仕事を続けながらでも起業にチャレンジすることが可能になり、万が一事業がうまくいかなかったとしても、大きな損失を避け再就職活動に戻れると思います。 
正社員で70歳、75歳・・・健康なうちは週二日でも三日でも生涯現役で働ける会社が出てくればと思いますが、”定年”は一定の年齢になったので一旦ご退席をという制度ですので、厳しい現実を憂うより小規模でも楽しい仕事で生涯現役を全うできればと考えています。 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次