マイクロ起業コンシェルジュ自由が丘の事務所に併設された小さな庭には、2020年の新規事業をきっかけに「かりんの木」を植えました。この庭は、新規事業の成功を願い、西側に縁起の良い黄色や金色の果実が実る植物を植えたいと考えていたところ、商売繁盛の象徴ともされる、かりんの木がぴったりとの助言を頂き、レモンや柑橘類と迷った末に、かりんを選びました。かりんは「金は貸すが借りない=借りん」という語呂合わせから、特に商売や起業に縁起が良いとされているようです。
植樹当初のかりんの木はまだ細く、か弱く、風が吹くたびに倒れそうな姿をしていました。そのため、添え木をして支えていましたが、驚いたことに最初の実は3個もつけてくれました。それから数年経ち、かりんの木は年々少しずつ成長し、実も増えていきました。2021年には1個に減ったものの、2022年には3個、そして2023年には4個の実をつけ、ついに2024年には16個もの実が木に揺れています。台風が襲った時にも、2〜3個しか落ちなかったほど、幹はしっかりと太くなり、堂々とした佇まいを見せています。
収穫期の10月下旬~11月下旬までに徐々に黄金色に染まっていくと思います。
かりんは中国から平安時代に伝わったとされる木で、薬用植物として古くから使われてきました。実はその効能も驚くほど多彩です。かりんには、血行促進、殺菌、免疫力向上、抗炎症、抗酸化作用、血圧降下、さらには咳止め効果など、多岐にわたる健康効果があるとされています。かりんの実を使ったシロップやジャムは、冬の乾燥した季節に特に効果的で、喉のケアにも役立つと知られています。こうした伝統的な知恵も、かりんの木を選んだ理由の一つです。
さらに、かりんには「努力」という花言葉もあり、起業や新しい事業を立ち上げる際には、努力が欠かせませんので、その意味で、かりんの木は私にとって起業のシンボルであり、奮起させてくれる象徴的な存在になっています。 それが今年は一気に16個実りました。 来年は?と少々気にはなりますが・・・
長野県の北部には、庭の表にかりんを植え、裏にカシノキを植えることで商売繁盛を願うという風習が残っているそうです。この風習も「金は貸すが借りない」という語呂合わせに基づいており、商売を始める人々にとっては縁起の良い木とされています。
もちろん、縁起を過剰に担ぐことには慎重であるべきですが、節目ごとにお詣りをしたりするように、少しの安心感を得るために縁起を担ぐのも悪くはないのではと思っています。
たとえば、個人事業主の開業届を縁起の良い日に提出したり、新しい事業のスタートを大安吉日に合わせたりすることは、気持ちを引き締めるためにも役立ちます。私自身も、こうしたタイミングで小さな縁起を担ぎ、事業の成功を願ってきました。そして、このかりんの木の成長に引っ張られるように、自分の想いや努力が少しずつでも実を結び、生涯現役社会人を続ける励みになっていけばと思っています。