#50歳代を迎えられた方は豊富な経験、知見に加え、中長期経営計画書(事業計画書)の策定に何らかのカタチで参画されたのではないでしょうか。

今回のテーマは、会社の平均寿命よりも人の平均寿命が圧倒的に長くなっている中で、セカンドライフにおける事業計画書作成の重要性についてです。

1984年、日本経済新聞出版から刊行された『会社の寿命 盛者必衰の理』で企業の寿命は約30年が一つの節目とされ話題になりました。それから39年後の2023年、東京商工リサーチの調査によると、倒産企業の平均寿命は23.1年に縮まっています。一方で、「100年時代」と呼ばれるように、人の寿命は長くなり、働く期間も40年から50年へと延びつつあります。このような時代において、企業が戦略を構築して生き残りを図るように、我々自分自身の定年後のセカンドライフにも計画を立てる必要があり、会社一つに依存するのではなく、さまざまな選択肢を考慮して計画を練ることが重要だと思います。

出典:東京商工リサーチ 倒産企業の平均寿命は23.1年、2年連続で縮む 倒産企業の構成比 「新興」企業が初めて30%台に | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ (tsr-net.co.jp)

50代に差し掛かると、これまで携わってきた業務で中期経営計画書や事業計画書を作成し、企業の成長を見越した戦略を立てる経験を持つ方も多いのではないでしょうか。これらの計画書は、企業が市場の変化に対応し、存続するために不可欠なものです。
しかし、「人生」という長い視点に立つと、このプロセスは個人にも同様に重要です。企業の平均寿命と社会人期間を考えると、二社に従事してもなお、長寿化する社会に対応しきれません。企業が存続のために中長期的な戦略を立てるのと同様に、人生という長い航海においても事業計画書を作成しないことは、羅針盤なしで航海に出るようなものだと思います。

マイクロ起業の時代と「個人の事業計画書」
現代では、政府が推進する働き方改革により、副業や兼業、フリーランス、起業といった形で自分自身のスキルやアイデアを基に独立する道が広がっています。これらは必ずしも大きな資金を必要とせず、小規模でも始められることが特徴です。しかし、たとえマイクロ起業であっても成功には計画と戦略が不可欠です。事業を始める前には市場調査や自身の強み・弱みの分析、競合との比較が必要で、企業と同様に「事業計画書」を作成することが成功の鍵となると思います。

市場調査や競合分析、4P分析、SWOT分析といったビジネスの基本的な手法を、個人のマイクロ起業に応用することで、より確実なビジネス展開が可能になります。たとえば、SWOT分析を行うことで自分の強みを最大限に活かし、弱みをどのように補うかを明確にできます。競合分析を通じて、どのように差別化を図り、どの市場にアプローチすべきかも決定できます。

また、マイクロ起業を考える際には、自己分析が非常に重要です。自分自身の好きなこと得意なことを理解することで、適切な事業を選び、その分野で成功する可能性が高まります。ここで役立つのが「棚卸し」と「人生曲線」です。人生の中で培ってきた経験やスキルを振り返り、どの分野で強みを発揮できるか、またどの点で補強が必要かを客観的に評価することが求められます。

資金計画書
資金計画は、事業の安定運営に欠かせない要素です。初期投資額や収益が上がるタイミングを具体的に見積もることで、無理なく事業を進めるだけでなく、家族やパートナーを納得させる材料にもなります。マイクロ起業では大きな資金を必要としないことが多いですが、綿密な資金計画が成功への近道です。起業一本に絞るのではなく、再雇用と年金もポートフォリオに組み込むことでより柔軟なキャッシュフローになると思います。 

内製化とアウトソーシングのバランス
現代のビジネス環境では、インターネットを活用して事業を展開することが主流になっています。マイクロ起業でも、インターネットを利用して業務を効率化したり、コストを抑えたりすることが可能です。すべてを自分でやる必要はありませんが、内製化とアウトソーシングのバランスを取ることが重要です。
自分が得意な分野は自分で行い、不得意な分野は外部に委託することで、効率的な事業運営が可能になります。

マイクロ起業においては、事業計画のフレキシビリティが重要です。すぐに開業する必要はなく、定年までの時間を使ってシュミレーションを行い、リスクを最小限に抑えながら準備を進めることができます。市場やライフスタイルの変化に応じて事業内容を調整する柔軟さも、長期的な成功につながります。管理費を極限まで抑えることで、持続可能な事業運営の実現を図る内容となっています。

今皆さんがお勤めの企業も元々は、一人または数人で起業した会社だと思います。 日本はベンチャーが育ちにくい国になっていますが、起業家が出にくい環境下で会社の寿命が順次到来、加えて超高齢化社会に向かえば、ますます定年後働く場所が少なくなっていくのではと思います。 
マイクロ起業コンシェルジュで、まずは資金計画書、棚卸からセカンドライフに備えていただくことをご検討いただければと思います。

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