母は足が悪く歩行器を利用していたため、同居を始めた直後に地域包括支援センターに相談に伺い、要支援認定を申請しました。申請から認定までは1~2か月かかるため、早めの準備が重要です。母の介護度は、要支援2→要介護2→要介護3→要介護5→要介護4となり、要介護5の時は認知症の症状も見られるようになりました。ケアマネージャーを通じて介護計画を見直しながら、行政の支援サービスを活用することで、何とか在宅介護を続けてきました。
要介護2までは日常生活を自分で何とかこなせましたが、要介護3になると、週2回のデイサービスや訪問入浴、週5日の介護食の依頼が必要になり、介護ケアが大幅に増えました。特に要介護4以降は、褥瘡を避ける為夜間の寝返りが必要となり、3~4時間おきに家族・姉弟交代で母の寝返りを手助けしなければならず、わたしの場合は退職・独立の後の介護でしたが、コロナ禍で就業活動を検討した時ですらすぐに両立は困難だと判断しました。介護と並行して自宅で出来る小規模起業にフォーカスし、必要な資格取得を先行するようになったのは他に選択肢はなかったからだとも言えます。
介護費用については、要介護2までは母の年金で賄えましたが、要介護3以降は月に約2万円~3万円の支出が必要でした。私はこの時期には、一人で出来る事業として小さなテナント収入で何とか繋ぎ、介護期間中の在宅時間を活用して資格取得に目標を切り替えたことで、介護後の生活設計が比較的しやすくなり、精神的にも少しは安定していたと思います。
介護と仕事を両立させるためには、家族・身内との事前相談と行政サービスの活用が非常に重要です。介護は終わりが見えない長期戦であり、自分たちの健康を損なうことがあっては本末転倒です。地域包括支援センターに早めに相談し、できるだけ無理をしないことが大切です。
収入と介護のバランスを考えると、自分の経験からも小さな起業は非常に相性が良いと感じます。時間の柔軟性があり、少しでもプラスの収入が得られることで精神的な安定感が生まれます。また、介護が終わった後もスムーズに仕事に移行できることが大きなメリットです。
介護放棄などのニュースが報道されますが、正直 気持ちが理解できる部分もあります。 ただ、介護をしながらも極小=マイクロ起業等で社会と繋がることで気持ちが前に向ける一つのキッカケになるかもしれません。
最後に、毎日介護に向き合っている人より、月数回定期的に訪問してくれる人が、”良き理解者”になります。 嫌いなデイサービスに行くよう勧めたり、時には辛辣な言葉が出てしまうこともあるので解る部分はあるのですが、時には堪えたりするのは介護経験者のあるあるでしょうか(笑)