※本記事は2026年時点の情報に基づき一部更新しています。
60歳以降で損しないために知っておきたい制度変更と確認ポイント
「65歳まで働けるようになる」と聞くと安心感があります。
しかし実際には、
- 退職金はいつもらえるのか
- 再雇用後の給与はどう変わるのか
- 確定拠出年金(DC)はどうなるのか
- 雇用保険の給付は減るのか
など、“60歳以降のお金”は会社によって大きく違います。
特に2025年4月以降は、高年齢者雇用安定法の経過措置終了により、「希望者全員の65歳までの雇用確保」が完全義務化されました。
その影響で、企業ごとの制度差がさらに広がっています。
この記事では、2026年度時点の最新制度を踏まえ、
- 定年延長と継続雇用の違い
- 退職金が減るケース・増えるケース
- 再雇用で注意すべき落とし穴
- 60代前半で損しない確認ポイント
をわかりやすく整理します。
2026年現在、「65歳定年」が義務化されたわけではない
まず誤解されやすいポイントです。
2025年4月から企業に義務化されたのは、
「65歳までの雇用確保」
であり、
「65歳定年への引き上げ」
ではありません。
つまり企業は次のいずれかを行えばよいことになっています。
- 定年を65歳へ引き上げる
- 継続雇用制度を導入する
- 定年制度を廃止する
そのため、現在も多くの企業では、
「60歳定年+再雇用」
という形が主流です。
2025年改正で変わった最大のポイント
以前は労使協定によって、
「会社が認めた人だけ再雇用」
という制度が可能でした。
しかし、この経過措置が2025年3月末で終了。
2025年4月以降は、
希望者全員に65歳までの雇用機会を提供
する必要があります。
ただし注意点があります。
“雇用継続”=“待遇維持”ではありません
ここが非常に重要です。
実際には、
- 年収が3~5割減
- 賞与なし
- 管理職解除
- 契約社員化
となるケースも珍しくありません。
「働ける」ことと
「同じ条件で働ける」ことは別問題です。
定年延長と再雇用の違いを理解する
① 再雇用制度
最も多いパターンです。
60歳で一度退職し、その翌日から契約社員などとして再雇用されます。
特徴:
- 給与が下がるケースが多い
- 賞与が減る・なくなる場合がある
- 1年更新契約が多い
- 退職金は60歳時点で支給されることが多い
② 勤務延長制度
定年そのものを延長する形です。
特徴:
- 正社員のまま継続勤務
- 給与水準が維持されやすい
- 退職金計算も継続される場合がある
ただし、導入企業はまだ限定的です。
定年延長で退職金はどう変わる?
ここが最も気になるポイントでしょう。
実は、
退職金制度は法律で決まっていません
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企業ごとにルールが異なります。
そのため、
- 60歳で支給
- 65歳で支給
- 分割支給
- 増額
- 据え置き
など、対応はバラバラです。
退職金の代表的な3パターン
① 60歳で退職金を受け取るタイプ
最も一般的です。
60歳時点で一度退職扱いとなり、退職金が支払われます。
メリット
- 退職所得控除が使える
- 税負担を抑えやすい
- 住宅ローン返済などに充てやすい
注意点
その後の再雇用期間には、
- 退職金積み増しなし
- 年収減少
となることがあります。
② 65歳まで退職金を繰り延べるタイプ
定年延長後にまとめて支給される方式です。
この場合、退職金は次の3種類に分かれます。
据置型
60歳時点と同額。
スライド型
給付カーブを変更し調整。
増加型
勤続延長分だけ増額。
企業によって差が非常に大きいため、就業規則確認は必須です。
③ 確定拠出年金(DC)・企業年金連動型
最近増えているのがこのタイプです。
特に注意したいのは、
- 受取開始年齢
- 掛金継続の有無
- 運用期間延長
- 税制優遇
です。
60代前半は、
「働き方」と「年金受取タイミング」で手取りが大きく変わります。
2026年時点で特に注意したい「高年齢雇用継続給付」の縮小
見落とされがちですが、大きな変更があります。
以前は、
60歳以降に賃金が75%未満へ低下すると
雇用保険から給付金が支給されていました。
しかし制度見直しにより、
高年齢雇用継続給付は段階的に縮小
されています。
つまり今後は、
「再雇用後の給与減少を給付金で補う」
という考え方が難しくなります。
そのため、
- 再雇用後の給与水準
- 社会保険料
- 手取り額
の確認が以前より重要になっています。
60歳前後で必ず確認したい5項目
① 退職金はいつ支給されるのか
60歳か、65歳か。
税金にも影響します。
② 再雇用後の年収はいくらか
「額面」ではなく、
手取りベース
で確認することが重要です。
③ 企業年金・DCはどうなるか
受取時期で税金が変わることがあります。
④ 社会保険料負担はどう変わるか
健康保険・厚生年金の負担増で、想像以上に手取りが減るケースがあります。
⑤ 住宅ローンや生活設計に影響しないか
60代前半は、
- 親の介護
- 子どもの支援
- 自身の健康問題
も重なりやすい時期です。
「働ける前提」で組んだ資金計画は危険なこともあります。
まとめ|「65歳まで働ける」より「どう働くか」が重要な時代へ
2026年現在、
「65歳まで雇用される時代」
にはなりました。
しかし実際には、
- 給与低下
- 退職金制度変更
- 給付縮小
- 社会保険負担増
など、60歳以降の家計は複雑化しています。
特に、
「うちの会社は大丈夫だろう」
と思っていた人ほど、制度変更を見落としがちです。
定年延長は単なる“勤務期間の延長”ではなく、
セカンドライフ全体の設計変更
でもあります。
まずは、
- 就業規則
- 退職金規程
- DC・企業年金制度
- 再雇用条件
を確認し、
必要に応じてFPなど専門家へ相談しながら、
60代以降の働き方とお金のバランスを整理しておきたいところです。
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