# 50代を迎えるまでには何度か「転職」について真剣に考えたこともあるのではないでしょうか。また実際に転職された方もいらっしゃると思いますが、50代を境に給料が減少する割合が増え、50代前半で37.6%が、後半で47.7% 約半数の転職で賃金が減少になっています。
転職入職者の賃金変動状況別割合
増加 | 減少 | |
20~24歳 | 47.1 | 47.1 |
25~29歳 | 37.2 | 32.3 |
30~34歳 | 41.1 | 31.9 |
35~39歳 | 37.4 | 33.7 |
40~44歳 | 39.1 | 28.5 |
45~49歳 | 37.7 | 28.0 |
50~54歳 | 32.6 | 37.6 |
55~59歳 | 21.4 | 47.7 |
60~64歳 | 11.9 | 71.3 |
65歳以上 | 19.8 | 53.2 |
出典:令和4年雇用動向調査の結果は、厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html)
一覧表では60歳以上もありますが、60代前半で71.3%の方が、65歳以上では更に半数を超えた方53.2%の方の給料が減少しています。
このことからも60歳からの継続雇用でも、65歳からの再雇用でも賃金は減少する前提で臨む必要があると思いますが、企業の採用ニーズは若い世代に手厚く、一部の特別なスキルを持った方以外は戦力として求められにくく、50代以降の就活環境が容易ではないことが、推測できるのではと思います。
「人生100年時代」においては、定年退職後のセカンドライフの更なる長寿化で自身の仕事に対する意識と市場価値が大きく変わることを意味しているのだと思います。そのため継続雇用や再雇用で仕事を続けられる方は、キャリアを生かすというよりは労力を対価に替えるという価値観を許容したり、それまでと同じような仕事をしても働き手としての「労力」が重視され、時給制の仕事が主流になるということを受け入れることも重要になるのかもしれません。
給料が下がってしまう傾向は、会社としては定年退職で一定の役割を果たした上で(?)政府の働き方改革の対策として65歳までの雇用確保を義務付けられていますので、会社としてはシニアの採用より次世代の人材確保に投資をしたいということは想像に易いかと思います。 このような時代において、どのようにして自分のキャリアを再定義し、人生を充実させるべきなのかを考えることはとても重要なことになると思います。
ミドルシニアが迎える「65歳」の分岐点
実際に経験してみて、ミドルシニアにとって「65歳」という年齢が一つの分岐点になると感じています。 65歳までは何とか選ばなければ職に就けるイメージですが、60代を迎えると、ある程度名の通った企業で働いていたとしても、継続雇用制度により場合によっては最大で69歳まで働ける場合がありますが、 今までの延長戦では中々モチベーションを維持するのが難しく、継続雇用の任期をまたずしてやめる人も少なくないと思います。 ただ、そこから転職しても希望の職に就けるのは困難で、70歳を迎える頃には、体力面や職場での居心地の問題など、現役時代とは異なる壁に直面します。そのようなとき、これまでの「会社に依存し尽くす」という働き方ではなく、自分のペースで生きがいを持って働くことが重要だと痛感します。
また、社会貢献への意識も高くなり、ただ収入を得るための働き方ではなく、生活の質や心の充実感などを仕事に求めるのも自然の流れだと思います。
悠々自適に暮らす方は別にして、長寿化リスクで生活費を補うために働く必要のある人は、人生100年時代においては「新たな働き方」を模索する必要があると思います。
そのため、50代のうちにセカンドライフでの仕事と向き合い「自分のペースで好きな仕事で働く」ことを意識することが大切だと思います。フルタイムでがむしゃらに働くのではなく、生きがいを持って生涯現役で働ける環境を見つけることが、心の充実感を高める鍵となるのではないでしょうか。
まとめとして
人生100年時代におけるセカンドキャリアのあり方は、「年齢に縛られない=生涯現役での働き方」を目指すことが鍵だと思います。50代や60代のうちに自分の市場価値を確認し、得意なスキルや経験を活かして新しい道を切り拓くことは、豊かな人生を築くための第一歩になると思います。 それが実現できる既存の会社は、残念ながら現状無いように思われ、小規模でも自分で創る以外にないように思います。
65歳でのあるいは70歳での“転職”を目指すのか、あるいは自分の好きなことでの起業で生涯現役を目指すのか、現業のある50代の活かし方で、人生の後半戦が大きく変わるのではと思います。