それは全長1km、高低差10mある 「等々力渓谷」です。東京都内とは思えないほど自然豊かな場所で、忙しい都市生活からのリフレッシュに少しの時間で行ける最適な場所です。この静寂と美しい自然環境は、日常の喧騒を忘れさせ、心をリセットして新たな起業へのインスピレーションを得る効果も(?)期待できるのではと、時々訪れています。
等々力渓谷は谷沢川で構成された渓谷で、東京23区唯一の渓谷でもあります。
武蔵野台地は、水を通さない海成の粘土質層の上に水を通しやすい礫層が互層となった関東ロームに覆われた台地であり、台地上をはじめ多摩川に削られてできた崖線には多くの湧水があります。等々力渓谷はこの大量の湧水が台地を侵食してできた渓谷です。渓谷の谷底は等々力駅付近から下流の脇を遊歩道が整備されていて、10mほどの急峻な両崖には武蔵野の雑木林が残って陰鬱として夏でも冷涼です。渓谷には30カ所以上の湧水が発生し、湿地を形成しています。
南側は戦国時代に深沢から移ってきたとされる満願寺の境内に隣接し、その別院の等々力不動尊は霊場として、湧水が流れ落ちる不動の滝に打たれる修行者が時折見られ、冬季を除いて茶屋も建ち、都内でも有数の憩いの場となっています。
東急大井町線・等々力駅から5分ほど歩くと見えてくるのが、ゴルフ橋渓谷入口。階段が下に続いていて、まるで異世界への入口のような雰囲気が広がっています! 等々力(とどろき)はその名の由来を、こうした湧水の流れ落ちる音写の「轟く」にちなむという説が有名ですが、元の満願寺の場所の兎々呂(とどろ)城からなど諸説あるそうです。