「返済不要で、起業を支援します。」
TAIGA恩送りファンドについて初めて知った方の中には、
「本当に返さなくていいのですか?」
「あとから何か条件が付くのでは?」
「なぜ、そのような支援をしているのですか?」
と、不安や疑問を感じる方もいらっしゃると思います。
私は、それは当然のことだと思っています。
特に50代・60代からの起業やセカンドライフの新しい挑戦では、若い頃以上に「失敗したらどうしよう」「老後資金に影響しないだろうか」という不安があります。
そこへ「返済不要の起業支援」と言われても、あまり聞いたことのない仕組みだからこそ、すぐには信じられない。
もし私が逆の立場であれば、同じように感じるかもしれません。
だからこそTAIGA恩送りファンドでは、「返済不要ですから安心してください」と言葉だけで伝えるのではなく、なぜこの仕組みにたどり着いたのか、そして運営する側がどのような準備をしているのかも、少しずつお伝えしていきたいと考えています。
実は、TAIGA恩送りファンドは最初から「返済不要30万円」の仕組みだったわけではありません。
その出発点は、まったく違うものでした。
最初に考えていたのは「200万円・無利子・無担保」の起業支援でした
TAIGA恩送りファンドの構想を始めた当初、私は50代以降の方が小さな起業に挑戦するときの資金として、200万円程度を無利子・無担保で貸し出す仕組みを考えていました。
最初の1年間は返済を求めず、1年後から元金だけを返していただく。
利息によって利益を得るのではなく、返済された資金を次の挑戦者へ回していく。
「一人への支援が、次の誰かへの支援につながる。」
そんな循環型の起業支援を思い描いていました。
しかし、お金を貸すのであれば、善意だけでは運営できません。
貸す側にも責任があります。
そこで私は、お金の貸し借りや関連する法律、利用者保護などについてきちんと学ぶ必要があると考え、国家資格である貸金業務取扱主任者資格を取得しました。
現在も3年ごとの資格更新を続けており、先日も更新のための講習を受講してきました。
学んだからこそ、「お金を貸すこと」の重さが見えてきました
資格を取得するために勉強を進める中で、私は次第に、お金を貸すということは想像していた以上に責任の重い行為だと感じるようになりました。
たとえ無利子・無担保であったとしても、事業としてお金を貸すのであれば、関係法令や必要な登録、運営体制などについて十分に確認しなければなりません。
もちろん、それは利用者を守るためにも必要なことです。
しかし、もう一つ気になったことがありました。
それは、支援を受ける起業家側の負担です。
50代・60代から新しいことに挑戦しようとすると、それだけでも多くの不安があります。
事業は本当に続くだろうか。
生活費は大丈夫だろうか。
年金生活に入った後も無理なく続けられるだろうか。
家族は理解してくれるだろうか。
そこにさらに、「200万円を借りる」「1年後から返済する」という責任が加わります。
無利子だから負担がない、とは限りません。
利息はなくても、200万円という元金は返さなければなりません。
もし事業が思うように進まなかったとき、
「返済しなければならない」
という気持ちが、新しい挑戦そのものを重くしてしまう可能性もあります。
私は次第に、
「これは本当に、自分がやりたい50代以降の起業支援なのだろうか」
と考えるようになりました。
「貸す200万円」から「返していただかない30万円」へ
そこで、TAIGA恩送りファンドの考え方そのものを見直しました。
200万円を無利子・無担保で貸し出すのではなく、金額を30万円にして、返済そのものを求めない。
現在の「返済不要30万円」というTAIGA恩送りファンドの基本的な形は、そこから生まれました。
200万円から30万円ですから、数字だけを見れば大きく減っています。
しかし私自身は、単純に「支援額を小さくした」とは考えていません。
「貸す200万円」から「返していただかない30万円」へ、支援の考え方そのものを変えた。
そう捉えています。
50代・60代の小規模起業であれば、30万円でも始められる可能性のある事業があります。
たとえば、
・士業など、専門知識や経験を生かした情報発信・相談業
・介護・高齢者向け生活サポート
・オンライン相談サービス
・写真・動画サービス
・イベント・交流会サービス
・パソコンサポート・ホームページサポート
などです。
▶「もし今、少しでも気になった方は」それは行動のタイミングかもしれません。
現状を整理するだけでも十分意味があります。無理な勧誘は一切ありません
もちろん、30万円ですべての起業資金を賄えるわけではありません。
それでも、これまでの試験的な取り組みから、小規模起業であれば最初の一歩を踏み出すための資金として活用できる可能性があると感じています。
そして何より、返済はありません。
事業が成功したら返してください、という条件でもありません。
新しい挑戦に余計な返済負担を背負わせず、まず一歩を踏み出すために使っていただく。
ただ、もしその挑戦が実を結び、いつか余裕が生まれたときには、今度は次の誰かの挑戦を応援していただけたら——。
それは義務ではありません。
支援を受けた方から、また次の挑戦者へ。そんな「恩送り」の循環が少しずつ生まれていけば、これほど嬉しいことはありません。
返していただくのではなく、次へつないでいただく。
その方が、私が本当にやりたかったセカンドライフの起業支援に近いのではないかと考えました。
返済不要になったのに、なぜ資格を更新し続けるのか
現在のTAIGA恩送りファンドは、お金を貸す仕組みではありません。
では、なぜ今も貸金業務取扱主任者資格を更新しているのか。
今回も、3年ごとの更新講習を朝から夕方まで受講しました。
理由は、この資格を取得する過程で学んだことが、現在のTAIGA恩送りファンドの考え方につながっているからです。
お金を貸すとはどういうことなのか。
なぜ利用者を守るためのさまざまなルールがあるのか。
お金を扱う事業者には、どのような責任があるのか。
そうしたことを学ばなければ、私はおそらく当初の200万円融資という構想を、そのまま進めていたと思います。
学んだからこそ、立ち止まることができました。
そして、
「本当に支援を受ける人にとって良い仕組みなのか」
と考え直すことができました。
また、私はファイナンシャル・プランナー(FP)の資格も取得しています。
これも、資格を持っていることをアピールするためではありません。
50代以降の方のセカンドライフや起業、老後資金について相談を受けるのであれば、運営する側も相応の知識を身につけ、学び続ける必要があると考えているからです。
実践から学び、次の支援へ
2026年には、TAIGA恩送りファンドとして、まず1社への試験的な支援を行いました。
実際に取り組んでみると、返済不要だからこそ、支援を受ける方の主体性をどのように引き出し、「自分自身の挑戦」として取り組んでいただくかなど、新たな課題も見えてきました。
そこで現在は、支援件数を増やすことを急がず、相談から起業準備、支援後の伴走までを含め、より良い仕組みを整えています。
これはTAIGA恩送りファンドを止めるためではなく、次につなげるための期間です。
今回の経験を生かし、2027年度も1~3社程度への支援を予定しています。
50代・60代からの起業は、大きな事業を目指すことだけが選択肢ではありません。
これまでの経験や技術を生かして小さく仕事を始める。定年後も社会とのつながりを持つ。年金に少し収入を加える。人生の後半でもう一度やりたかったことに挑戦する。
そんな起業の形もあってよいと思います。
30万円ですべてを解決することはできません。
それでも、
「やってみたい。でも最初の一歩が踏み出せない」
という方の、その一歩を後押しする存在になれればと考えています。
信頼は、「安心してください」という言葉だけではつくれない
返済不要という、まだ一般的ではない仕組みだからこそ、最初から信頼していただけるとは思っていません。
だからこそ、制度や法律を学び、実際に支援し、課題があれば見直す。その積み重ねを大切にしたいと考えています。
返済不要だからこそ、支援を受ける方だけでなく、運営する側も学び続ける。
TAIGA恩送りファンドは、まだ道半ばです。
50代・60代の方がセカンドライフの新しい一歩を考えたとき、
「まず、ここに相談してみよう」
と思っていただける場所を目指して。
焦らず、一つひとつ経験と信頼を積み重ねながら、TAIGA恩送りファンドを育てていきたいと思っています。
▶「これからの生き方を考えたい方へ」正解は一つではありません。
だからこそ、自分に合った形を見つけることが大切です。
小さな一歩が、これからの安心につながります。無理な勧誘は一切ありません。
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