しかし、ただ資格を多く取得すれば良いというわけではなく、自分の定年後のキャリアに役立つ資格を選ぶことが重要だと考えています。若いころであれば、資格を多く持つことで選択肢が広がり、履歴書に資格を列記することで説得力を増すことができます。しかし、セカンドライフでは、年齢を重ねるにつれての就職先確保の難しさを考慮し、再就職だけでなく、小規模な起業にも役立つ資格を取ることが一石二鳥の選択と言えると思います。
そのためには、これまでのキャリアを振り返る「棚卸」や「人生曲線」といった手法を使い、自分の強みや好きなこと得意なことを整理することが大切です。さらに、ChatGPTなどのAIツールを活用して、分析を行い、自分に最も相乗効果が期待できる資格を見つけることが賢明です。こうした準備を行うことで、必要な資格の選定や、また資格取得の努力が無駄になることを防ぎ、生きがいと収入のバランスを保ちながら、長く働き続けるチャンスが広がっていくと思います。 年金だけで100歳まで安心して生活できる人は、こうした選択は必要ないかもしれませんが、定年後も生涯現役で社会と繋がりながら働きたいと考えている人にとっては、重要なステップになると思います。
ただ、資格によっては試験の受験機会が年に1回からあっても数回しかなく、取得には時間がかかるものもあります。せっかく時間をかけて勉強したにもかかわらず緊張感などでパスできなかった場合、翌年に持ち越しての再挑戦になるため、効率的な勉強計画が不可欠です。時間や費用も考慮し、二度手間を避けるためにも、慎重な資格選びと計画が重要になると思います。
ここでは、50代に人気の資格について、年間の受験回数や平均的な勉強時間、合格率などを簡単にまとめましたので、参考になればと思います。
宅地建物取引士 (国家資格)
宅地建物取引士(宅建)は、不動産取引に関わる資格で、再就職や小規模起業にも役立つ資格です。受験は年に1回で、合格率は約15~18%とやや低めです。平均的な勉強時間は300~500時間程度が必要とされています。受験料は8200円程度で、試験は全国各地で行われます。不動産関連の知識が求められるため、特に50代からの資格取得を目指す人にとっては実務に直結する有用な選択肢です。
ファイナンシャルプランナー FP技能士(国家資格)
ファイナンシャルプランナー(FP)は、資産運用や年金、税金に関する知識を持つ資格です。50代にとって、自分自身のライフプランや資産管理に役立つだけでなく、他の人へのアドバイスやコンサルティング業務にも繋がるため、小規模な起業に活かせる資格でもあります。FP資格は3級から1級まであり、試験は年に2~3回行われます。平均勉強時間は3級で100~150時間、2級では300時間程度が目安です。合格率はFP2級で約20%~50%、受験料は5700~11700円程度です。
行政書士(国家資格)
行政書士は、法律に基づく各種手続きを代理する資格です。定年後の再就職だけでなく、個人で事務所を開業することも可能なため、人気があります。試験は年に1回で、合格率は10~15%と難易度は高めですが、法的知識を活かした仕事に興味がある方には魅力的な資格です。平均的な勉強時間は500~1000時間程度が推奨されており、受験料は10400円程度です。
マンション管理士(国家資格)
マンション管理士は、マンションの管理運営に関するアドバイザーの資格です。マンション管理組合や管理会社と連携して仕事を進めるため、実務経験を持つ50代の人々にも適した資格です。試験は年に1回で、合格率は8~12%とやや難関です。平均勉強時間は400~600時間程度で、受験料は9400円程度です。
私自身は、ファイナンシャルプランナーの資格を取得しています、60歳を過ぎての挑戦でしたので記憶力の低下は避けられず、1冊のテキストを2回流して、そのあとはひたすら過去問を中心に毎日1時間程度の勉強を続けました。 過去問は約1500問を2回通しで勉強してひっかけ問題の傾向を学び、合格点ギリギリでのパスを目指しました。 他にも、貸金業取扱主任者、食品衛生士、緑茶インストラクターの資格も取得していますが、何を起業するかを決める前に、数打てば当たる(?)形式で取得しましたので、あまり効率よくはなかったのではと反省しています。 ただ、これらの資格があったことで自身の起業以外に、外部委託で独立行政法人との契約をいただいていると思われ、セカンドライフにおいて現時点でも、少しだけですがゆとりを持って社会人現役を続けることができているのではと思っています。
資格取得の受験料、スケジュールなど変わる可能性がありますので、さらに詳しい情報はインターネット、お問い合わせ先などでお調べ下さい。