恩送りファンド実験|コラム#6「支援しても動かない」最初の壁。

恩送りファンド実験で見えた、伴走支援の最初の壁
「困っている人を支援したい」
そう思って始めた伴走型支援ですが、実際に走り始めると、理想だけでは進まない現実に直面します。

現在、TAIGA恩送りファンドの支援実験は、最初の大きな検証段階に入っています。

これまでの3か月間は、比較的順調でした。

  • 何を事業にするのか
  • 誰の役に立ちたいのか
  • どんなセカンドライフを目指すのか
  • 小規模起業としてどこまでを目標にするのか

こうした土台作りを一緒に整理し、ロードマップを共有しながら進めてきました。

今回のテーマは、イラストを活用した供養サービス。
しかし、打ち合わせを重ねる中で、単なる「イラスト制作」では差別化が難しいことが見えてきました。

そこで、

「イラストを描くこと」ではなく、

“供養に対する罪悪感を軽くし、生活に自然に馴染む供養”

へと再設計を行いました。

これは、単なるデザイン修正ではありません。

事業コンセプトそのものを、一度戻って再構築する作業です。

しかし、この“戻って考え直す工程”が、想像以上に難しく感じています。

ここで、伴走支援の最初の壁が見えてきました。

「自分事化」のフェーズで止まる

ここまでは、支援者側が伴走しながら方向性を整理してきました。

ですが、次の段階として、

「自分自身で考え、動くフェーズ」

に移行しました。

そこで導入したのが、

  • 翌月の課題を3つ、自分で決める
  • 先月どこまでできたか確認する
  • できなかった理由を整理する
  • 次月の行動を決める

というシンプルな進捗確認です。

ところが、ここで予想外の軌道修正が生じ、停滞が起きました。

「何を課題にしたら良いか分からない」

ので、止まってしまうのです。

これは、単なる作業遅延ではありません。

むしろ、

「伴走支援を自分事化できるか」

という、恩送りファンドの本質的なテーマが見え始めた瞬間でした。

「困っている」と「変わりたい」は違う

今回、非常に考えさせられたことがあります。

それは、

「困っている」と「変わりたい」は別のもの

ということです。

▶恩送りファンドは現在実験運用を開始しています。
【無料相談(60分)で、今の状況と可能性を整理できます】※まだ形になっていない段階でも大丈夫です

相談時には、確かに悩みがあります。

  • 収入への不安
  • 将来への焦り
  • セカンドライフへの迷い
  • 年金だけでは不安
  • 働き方を変えたい気持ち

しかし、それと、

「自分から動きたい」

は、必ずしも一致しません。

人は、困っていても現状維持を選びます。

なぜなら、変化には恐怖があるからです。

特に50代・60代の小規模起業では、

  • 失敗できない
  • もう年齢的に遅いのでは
  • 本当に自分にできるのか
  • 家族に迷惑をかけたくない

という不安が非常に大きい。

だから、頭では理解していても、行動に移せない。

これは怠けではなく、多くの人に起こる自然な反応なのだと思います。

支援者が動かし過ぎてもいけない

ここで、伴走支援特有の難しさがあります。

支援者側が強く引っ張れば、一時的には前に進みます。

しかし、それを続けると、

「やらされる起業」

になってしまう。

本人の意思ではなく、支援者の熱量で動いている状態です。

これでは長続きしません。

小規模起業は短距離走ではなく、長距離走です。

特にセカンドライフ起業は、

「無理なく続けられること」

が極めて重要になります。

だからこそ、

  • 動かし過ぎてもいけない
  • しかし待ち過ぎても止まる

この距離感が非常に難しい。

今、恩送りファンドは、その最初の関門に直面しています。

「伴走支援」が機能する条件が見えてきた

しかし、今回の停滞は失敗ではありません。

むしろ、大きな発見でもありました。

伴走型支援が機能するためには、

「本人の中に、小さくても主体性の火種があること」

これが非常に重要なのだと見えてきたのです。

支援者ができるのは、

“火をつけること”ではなく、

「消えそうな小さな火を守ること」

なのかもしれません。

実際、前へ進める人たちは、

  • 完璧ではない
  • 知識も少ない
  • 資金もない

それでも、

「このままでは終わりたくない」
「小さくても一歩踏み出したい」

という感情を持っています。

その小さな意思が、少しずつ行動へ変わっていく。

逆に、

「困り事だけを解決したい」

段階では、伴走支援は空回りしやすい。

これは、今回の恩送りファンド実験で見えてきた、大きな学びでした。

恩送りファンドは「お金を渡す支援」ではない

恩送りファンドは、単なる資金提供ではありません。

本質は、

「もう一度、自分で歩き出せる状態を作ること」

にあります。

だからこそ、

  • すぐ成果を求め過ぎない
  • しかし放置もしない
  • 時には問いを投げかける
  • 時には待つ
  • 時には小さな成功体験を一緒に作る

そんな支援が必要になります。

今回ぶつかった壁は、恩送りファンドの弱点ではなく、

「伴走支援とは何か」

という本質に近づき始めた証なのかもしれません。

支援とは「答えを渡すこと」ではない

今回、改めて感じたことがあります。

人は、誰かに人生を変えてもらうことはできません。

変化は、最終的には本人の中からしか生まれない。

支援とは、

「答えを渡すこと」

ではなく、

「自分で動き出せるまで寄り添うこと」

なのだと思います。

簡単そうに見えて、実はとても難しい。

恩送りファンドの支援実験は、まだ始まったばかりです。

ですが、最初の壁にぶつかったからこそ、

本当に必要なセカンドライフ支援や小規模起業支援の形が、少しずつ見え始めています。

「困っている」と「変わりたい」は違う。

この現実をどう乗り越えるか。

答えはまだ出ていません。

▶「返済不要の支援に関心のある方へ」
現在は【1社限定】で実験的に運用しています。まずは一度、頭の中を整理してみませんか。
「うまく言葉にできていなくても大丈夫です」無理な提案は一切ありません。

関連記事】
恩送りファンドとは?|返済不要の起業支援をやさしく解説
「#50代からの起業は遅いと感じる方も多いですが、実は最も現実的な選択肢の一つです」
定年後の仕事はどう作る?早期退職・役職定年後に選ぶ「小さな起業」とホームページ活用法
プロフィール
1年目・実験宣言
TAIGA恩送りファンドを支える事業

恩送りファンド実験コラム
恩送りファンド実験|コラム#4 2月某日 支援企業様と第一回目の対面打ち合わせに行って来ました。
恩送りファンド実験|コラム#5 「ちょうどいい供養」は成立するのか?事業スキーム再検証の現場から

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次