合同会社とは?個人事業主・株式会社との違いから考える、将来の#小さな起業

「いつかは、自分の経験を生かして仕事をしてみたい」

そう思っていても、今すぐ起業する予定がなければ、会社の作り方まで調べる機会は少ないかもしれません。けれども、#セカンドライフの働き方を考えるとき、「どんな形で始められるか」を知っておくと、選択肢が少し広がります。

起業と聞くと、個人事業主か株式会社を思い浮かべる方が多いでしょう。今回は、もう一つの選択肢「合同会社」を取り上げます。

新しくできる法人の約3割が合同会社に

東京商工リサーチの調査によると、2025年に全国で設立された法人15万7,011社のうち、合同会社は4万4,991社。全体の28.6%を占めました。新設された株式会社の数は依然として最多ですが、2年連続で前年を下回っています。一方、合同会社は前年比6.8%増でした。

合同会社を設立した代表者の平均年齢は、年齢が判明している人で47.77歳。若い人だけが選んでいるわけではありません。経験や専門性を生かして独立する人にも選ばれています。

TAIGAでも、テナント事業を通じて合同会社を経営する方と接する機会があります。私自身、以前はその仕組みを詳しく知りませんでした。「将来、小さく仕事を始めるなら、どんな選択肢があるのだろう」。そんな視点から調べてみました。

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合同会社とは?有限会社とは違うの?

合同会社は、2006年の会社法施行とともに導入された会社形態です。同じ時期に有限会社を新たに設立することはできなくなりましたが、有限会社が合同会社に名前を変えたわけではありません。以前からある有限会社は、現在も存続しています。

合同会社も株式会社と同じ「法人」です。出資する人は原則として、出資額の範囲で責任を負います。なお、合同会社では出資者を「社員」と呼びますが、従業員という意味ではありません。自分一人で設立することも、仲間と設立することもできます。

個人事業主・株式会社と、何が違う?

違いが分かりやすいのは、始めるときの費用です。個人事業主として開業する場合、会社の設立登記は不要です。合同会社の設立登記には登録免許税が最低6万円、株式会社には最低15万円かかります。株式会社では定款の認証も必要ですが、合同会社では必要ありません。

経営の進め方にも違いがあります。合同会社には株主総会がなく、出資者が経営に参加することを基本とした仕組みです。少人数で方針を決めながら進めたい事業には、使いやすい面があります。

東京商工リサーチの調査では、新設された合同会社の約半数が「サービス業他」でした。経営コンサルタントなど、個人の知識や経験を生かす業種も目立ちます。たとえば、長年の仕事で得た技能を使って相談業務を始める。趣味から育てた商品を販売する。そうした小さな起業を考える際にも、候補の一つになるでしょう。

設立費用だけで決めてよい?

ここは慎重に考えたいところです。合同会社は株式会社より設立費用を抑えやすいものの、設立後は法人としての会計や税務の手続きが必要です。税理士への依頼費用が生じることもあります。利益が出ない年にも法人住民税の均等割などの負担があります。

また、取引先によっては株式会社という形を重視する場合があります。合同会社には決算公告の義務がないため、取引相手が業績を確認しにくい面もあります。信頼関係を築くには、会社の形だけでなく、仕事の実績や説明の丁寧さも大切になるでしょう。

住所の公開にも違いがあります。株式会社には、登記された代表取締役の住所を一部非表示にできる制度がありますが、合同会社はその対象ではありません。自宅を使って事業を始めたい方は、事前に確認しておきたい点です。

インボイスのために法人化は必要?

合同会社が増えた背景として、東京商工リサーチはインボイス制度への対応も挙げています。ただし、インボイスを発行するために法人になる必要はありません。個人事業主でも登録できます。反対に、合同会社を設立するだけで、自動的にインボイスを発行できるわけでもありません。

取引先がインボイスを必要とするか、登録した場合に消費税の申告や納税がどう変わるか。これは、会社の形を選ぶこととは分けて考えたい問題です。

将来の起業を考えるなら、最初に決めたいのは会社の形ではなく、どんな仕事を、誰に届けたいかです。まず個人事業で小さく試し、事業が育ってから法人化する方法もあります。その際、移行先は株式会社だけではありません。事業の規模や運営する人数に応じて、合同会社を選ぶ道もあります。

今すぐ決める必要はありません。ただ、「個人事業か株式会社か」以外にも道があると知っておくことが、これからの働き方を考える第一歩になるのではないでしょうか。

出典:東京商工リサーチ「2025年『合同会社』の新設法人調査」、
法務省・国税庁公表資料

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